製造業のマーケティング担当者必見、「サプライヤーの探し方と選定基準」の本音:間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(14)(2/4 ページ)
コロナ禍で製造業のマーケティング手法もデジタルシフトが加速した。だが、業界の事情に合わせたデジタルマーケティングを実践できている企業はそう多くない。本連載では「製造業のための正しいデジタルマーケティング知識」を伝えていく。第14回のテーマは「メーカー開発設計者に聞いたサプライヤーの探し方と選定基準」だ。
問い合わせるまでに必ず確認すること
メーカー設計開発者が、Webサイトの何を見て良しあしを判断しているかを調査した。設計開発者がWebサイトで知りたい情報は大きく2つある。「実際に作れるのか?」と「信用できる会社なのか?」である。そのために必ず確認する内容が「実績」で、今回インタビューした4人とも「まず実績を確認する」という回答だった。実績に関する情報がいかに重要か分かるだろう。
確認する実績の内容は、主に製品実績と取引先実績であった。製品実績は実際にモノが作れるかどうかを判断するため、取引先実績は信用度を判断するために確認する。例えば、自動車業界ではティア1サプライヤーと取引があると書かれているだけで、品質、コスト、納期に問題がないことが分かる。ただし、できるだけ社名は出してほしいということであった。また、製品実績の見せ方については一目で分かるものが良いとの意見も多かった。
その他、確認する内容として挙がったのが「技術情報」であった。「何でも対応できる」と記載している企業よりも、特定の技術に特化している方が目に付きやすく、さらに技術を丁寧に説明してあると安心できるようだ。製品の精度がどこまで出せるかといった、性能のグラフやデータなども確認していた。さらに、工場の様子が分かる画像や、不具合時の対応などの情報もあれば確認しているそうだ。
また、それほど重要視されていなかったのが、ISO認証や企業規模、所在地であった。設計開発者は技術さえ持っていれば、細かいことは気にしないようである。
取引先として選ばない企業のWebサイトの特徴
また、取引先に選ばれづらいWebサイトの特徴についても調査した。最も多かった意見は「欲しい情報にたどり着けないWebサイト」であった。設計開発者は日々の業務で忙しく、新規取引先探しにそこまで時間を確保できない。そのため、情報が探しづらいサイトはすぐに見るのをやめてしまうようだ。メーカーの設計開発者をターゲットする場合は、デザインよりも情報の整理にこだわった方がよさそうである。
Webサイトの見た目についてはさほど気にしていない一方で、デザインが古すぎると印象は良くないようで、「あまりにもデザインが古いと、業績が悪い、営業する気がないなどのイメージを持つ」という意見もあった。
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