連載
生成AIを前提に通信網やデバイスが変化していく MWC 2024レポート(前編):世界の展示会で見たモノづくり最新動向(3)(3/4 ページ)
この連載ではMONOistとSalesforceのインダストリー専門家が協力して、世界各地の展示会から業界の最新トレンドをお届けします。前回のCES 2024最新動向レポートに続き、第3弾では、2024年2月26〜29日にかけてスペインのバルセロナで開催されたMWC Barcelona 2024から、通信業界の生成AIのトレンドを2回にわたり紹介します。
通信事業者向けソリューションも生成AIの活用をサポート
MWC 2024では、通信事業者向けのソリューションプロバイダーも、生成AIの活用を前提とした新たなシステムや追加機能を発表しました。
Salesforce(セールスフォース)の展示ブースでは、生成AIを業務プロセスに組み込むことで、どのように生産性や顧客対応品質を向上できるのか、デモンストレーションを通して示していました。生成AIを業務で活用する上では、用途や背景に沿ったデータの整備や、生成AI機能がユーザーの業務プロセスにシームレスに組み込まれている事が重要です。同社のデモでは、業務フロー上の最適なタイミングでプロンプト画面を利用できるように配置した点や、RAGを構成して汎用LLMから目的に合致したアウトプットを得るために顧客応対履歴や営業プロセスのトランザクションデータなどを活用できる点が紹介されました。
また、生成AIの活用範囲を広げるためには、基盤となるGPT-4などの汎用LLMに業界特化型のLLMを組み合わせるケースがほとんどです。複数のLLMを組み合わせて使用する際に、ユーザーの単純な作業で必要なLLMを選択できる機能なども紹介されていました。
顧客からの請求書の問い合わせがあった際に生成AIを活用するデモ。生成AIが過去請求書の傾向を分析し、例えば、高額請求となった原因や対策案を瞬時に解析する[クリックして拡大] 提供:Salesforce
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