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製造業が2024年に取るべきSEO対策 デジタルマーケティングの重要論点を振り返り間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(11)(1/2 ページ)

コロナ禍で製造業のマーケティング手法もデジタルシフトが加速した。だが、業界の事情に合わせたデジタルマーケティングを実践できている企業はそう多くない。本連載では「製造業のための正しいデジタルマーケティング知識」を伝えていく。第11回のテーマは「最新の製造業WebサイトのSEO対策」だ。

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 製造業のWebマーケティングにおいて、SEO(検索エンジン最適化)対策は最も注力すべき施策である。しかし何かと変化が多く、最新事情をキャッチアップするのに苦労している方も多いだろう。

 そこでこの記事では、SEOかいわいで2023年に起こった主な出来事から、製造業のWebサイトに関係するトピックを3つ紹介する。さらに、2023年の動向を踏まえた上で、2024年に製造業がSEOにどのように向き合えばよいのかを考察する。読者の皆さんには、最新情報をキャッチアップする機会としてほしい。

2023年、製造業が押さえておきたいSEOニュース3選

(1)検索エンジンに生成AIが搭載

 2023年のSEOかいわいで最も注目されたトピックの1つ目は、生成AI(人工知能)サービスの爆発的な普及である。この新しい技術は検索エンジンにも活用された。2023年2月にBingがChatGPTを搭載し、それを追いかける形で同年5月にはGoogleがBardを投入。さらに同年8月には生成AIを活用した「Search Generative Experience(以下、SGE)」の日本語版が試験運用を開始した。

 現状ではまだAIの回答精度が十分でなく、利用ユーザーも少ないことから、Webサイトへのトラフィックに大きな影響を与えているわけではない。しかしAIの回答精度が向上するにつれて、必然的に利用ユーザーが増加すると予想される。多くのユーザーがWebページを訪れることなく目的の情報を得られようになる一方、情報提供者側にとってはWebサイトのアクセス数が減少する懸念材料となり得る。

 ここで重要な点は、誰が回答しても品質が変わらないような基本的な情報に関しては、AIが全て答えてしまうようになる可能性が高いということだ。一般的な情報のみを扱う辞書系Webサイトへのアクセスは激減すると予想されている。今後はより独自性の高い、AIでは代替できないコンテンツの提供が求められる。

(2)独自性の高いコンテンツを評価する「ヘルプフルコンテンツアップデート」が実施された

 Googleは2023年、通常は年間約3回行う「コアアップデート」を、例年より多い5回実施した。コアアップデートでは、Googleの検索順位を決定するアルゴリズムの核となる部分を更新する。この中でも、製造業Webサイトに大きな影響を与える可能性が高いものが「ヘルプフルコンテンツアップデート」である。

 ヘルプフルコンテンツアップデートとは、ユーザーにとって有用なコンテンツを持つWebサイトを高く評価し、価値の低いコンテンツとの差別化を図るものだ。このアップデートによって、Webサイトに掲載するコンテンツには、独自性がより強く求められるようになった。

 例えば、これまでGoogleに評価されていたのは、ユーザーの検索意図を広範囲にわたってカバーした、網羅的な長文コンテンツを掲載したWebページだった。しかし、ヘルプフルコンテンツアップデートにより、企業独自の情報を持つコンテンツが重要視されるようになった。つまり、検索ユーザーにとって本当に価値のある、特有の情報や視点を提供するコンテンツが、今後、より高く評価される可能性が高いのだ。

 この変化に合わせて、製造業はWebサイトのコンテンツ戦略を見直すことが重要である。ユーザーにとって本当に役立つ、独自の情報や知識を提供することが、Googleによる評価だけでなく、ユーザーからの信頼獲得にもつながるだろう。

(3)新たに「経験」が加わった「EEAT」という概念の登場

 2022年12月にGoogleが提唱したWebサイト評価の基準「EEAT」は、2023年にかけて大きな話題となった。EEATとは、これまでのEAT(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness=専門性、権威性、信頼性)という概念に「Experience(経験)」の要素を加えたものである。Googleはこれらの要素を満たしたWebサイトを高く評価すると明言している。Experienceとは、コンテンツ作成者が持つ、トピックに関して必要な実体験や人生経験の量のことを指す。

 これまでGoogleは、特にYMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる領域でEATを重要視してきた。YMYLとは、人々の財産、健康、生命などに深刻な影響を与える可能性のある情報を扱う分野のことだ。ここに「経験」を加えることで、EATの概念をYMYL領域以外にも広げる意図があると考えられる。これにより、単なる専門知識や情報の提供だけでなく、その分野での実体験に基づく情報が、Googleによる評価でより重要になると推測される。

 今後は、企業が独自に持つ一次情報、つまり実際の経験に基づいた知識や情報が、SEOの観点からも非常に重要になると考えられる。製造業にとっても、自社の技術や製品に関連する独自の経験や実績をコンテンツに反映させることが、Googleの評価はもちろん、検索ユーザーからの信頼を獲得する上で重要になるだろう。

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