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オープン化がもたらす作り手と使い手の“うれしさ”、集大成で何を見せるか2023国際ロボット展(1/3 ページ)

デンソーウェーブは「2023国際ロボット展」において、「オープン化」を軸にして数々のソリューションを披露する。会場で何を見せるのか、デンソーウェーブ ソリューション事業部 FAシステムエンジニアリング部 部長の澤田洋祐氏に話を聞いた。

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 デンソーウェーブは「2023国際ロボット展」(2023年11月29日〜12月2日、東京ビッグサイト)において、「オープン化」を軸にして生成AI(人工知能)などを活用した数々のソリューションを披露する。コロナ禍前の2019年以来の出展となる国際ロボット展で何を見せるのか、デンソーウェーブ ソリューション事業部 FAシステムエンジニアリング部 部長の澤田洋祐氏に話を聞いた。

これまでの集大成となる6つのゾーン分け

 会場ではブース内を6つのゾーンに分け、協働ロボット「COBOTTA PRO」やBeckhoff Automation(ベッコフオートメーション)の制御ソフトウェア「TwinCAT」、AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)/デジタルツイン、システムソリューション、エネルギーマネジメントシステムをテーマにした展示を行う。

 澤田氏は「今回、ゾーン分けを初めて行った。オープンプラットフォームを背骨にして、そこから伸びた骨が各ゾーンにあたる」と語る。

 デンソーウェーブは以前からオープン戦略をとってきた。2006年、工場情報システム用ミドルウェア「ORiN2」の仕様に基づいたソフトウェアツールキット「ORiN2 SDK(Software Development Kit)」を製品化。PCからさまざまなメーカーのロボット、PLC(Programmable Logic Controller)、NC工作機械などのFA機器に対して共通化された方法で接続し、C#、C++などPC汎用言語で制御システムが開発できるようになった。さらに2020年には、ベッコフオートメーションと共同開発したロボットコントローラー「RC9」を発売した。

「RC9によってロボットコントローラーの集大成がある程度出来上がった。そこで、これまでの集大成として、オープンプラットフォームを軸にして各ゾーンでオープン化がもたらすうれしさを提案したい」(澤田氏)

人とロボットのより自然なコミュニケーションを

 オープン化がもたらすうれしさは「作り手」と「使い手」では異なるという。

「例えばAIのアウトプット機器としてロボットを考えた場合、オープン化されたロボットをAIで自由に動かすことができるというのは、AIの作り手にとってのうれしさとなる。AIを活用したロボットによってさまざまな作業ができるようになると、それは使い手にとってのうれしさとなる。それぞれのうれしさを各ゾーンで提案している」(澤田氏)

 COBOTTA PROのゾーンでは、人と協働ロボットによるキックボードの組み立て作業や、AMR(自律搬送型ロボット)を活用した自律搬送、組み立てシステムなどを紹介する。

「近年は本格的に人の作業をロボットで置き換えるニーズが増えてきている。人が行っている作業は複雑で自動化するのは難しいが、協働ロボットと人が一緒に働くことで作業効率を良くしたり、人の負担を軽くしたりすることができる。キックボードを全てロボットが組み立てるのは難しい。そこで人とロボットがそれぞれ得意な領域でともに作業していく姿をお見せしたい」(澤田氏)

 そこでは、参考出展するセンサーを搭載したグローブの実演をする予定だ。人の作業が終了したのをグローブを付けた手の形や力のかかり具合などからロボットが認識し、次の作業を始めるというものだ。

「これまで人とロボットのコミュニケーションは、タッチパネルなどハード的なものに比較的特化していた。自然言語やポーズなど、より自然な形のコミュニケーションになれば、もっと多くの人にロボットを使ってもらうことができるようになる」(澤田氏)

 TwinCATのゾーンでも、音声認識が可能な「TwinCAT Speech」を用いた、人の音声指示によるロボット制御を披露する予定だ。

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