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イチから全部作ってみよう(1)ソフトウェア開発の大まかな流れを把握する山浦恒央の“くみこみ”な話(170)(2/3 ページ)

ECサイトを題材にソフトウェア開発の全工程を学ぶ新シリーズ「イチから全部作ってみよう」がスタート。シリーズ第1回は、イントロダクションとしてソフトウェア開発の大まかな流れを説明する。

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4.まずは犬小屋を作るプロセスを考えてみる

 ソフトウェア開発の流れを説明する前に、現実社会のイメージから考えます。友人から犬小屋を作ってほしいと依頼があったとします。

 はじめに、友人が思い描く犬小屋を聞く必要がありますね(友人同士なら勝手に作ってもいいかもしれませんが)。例えば、「サイズは中型犬がゆったりできるぐらい大きくしたい」「中に餌を置ける棚が欲しい」「色はスカイブルーにしてほしい」などの具体的な要求事項を確認します。

犬小屋
※写真はイメージです

 作りたい犬小屋の概要が決まったら、犬小屋の設計図を作成します。設計図を描くことで、どんな材料をどれだけ買うか、どんな道具を使うか、コストはいくらかかるか、何日で完成するかが分かります(逆に、想定した予算の5倍かかるなどの問題点も明らかになります)。「柱をどのように立てるか」「板をどう組み合わせるか」のように、プラモデルの設計図をイメージすると分かりやすくなります。

 設計図を描く場合のコツは、まとめて全部を描こうとせず、幾つかの塊に分割することです。犬小屋といえど、全体をまとめて考えようとすると、考慮すべきことが多く、大きく、複雑になります。そこで、骨組み、屋根、餌スペースなどのまとまりに分割します。

 設計図を作った後、設計図に従って犬小屋を作成します。設計図通りに作ることは簡単ではなく、職人的なスキルが必要です。例えば、設計図通りに板がはまらなかったり、くぎを打ち間違ったりなんて問題点が発生します。

 犬小屋が組み上がっても、まだ完成ではありません。再度、当初の要望通りにできているか確認します。例えば、「本当に犬が入れるスペースがあるのか」「色はスカイブルーになっているか」などです。いざ確認すると、色にムラがあったり、餌の棚の位置が高過ぎたりなどのミスがたくさん見つかります。その都度、修正せねばなりません。

 自分で確認した後、友人と最終チェックをします。ここで悩ましいのは、いざ完成品を確認すると、友人が「やっぱ色は赤がよかったな」「あの時、言ってなかったんだけど、実はね……」なんて言い始めることです。こんな場合でも、友人の要望に応えるべく頑張って最終の修正を行います。

 以上が、犬小屋を作る一連の流れですね。では、ソフトウェア開発ではどうでしょうか。

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