住友ゴムがタイヤセンシング技術を2024年に発売、米国企業と故障予知サービスも開発:材料技術(3/4 ページ)
住友ゴム工業は独自のタイヤセンシング技術「センシングコア」を自動車メーカーに新車用のソフトウェアとして2024年に販売開始する。現在は米国車両予知会社のViaductとセンシングコアを用いたトータル故障予知ソリューションサービスの開発を進めている。
ゴルフ用品では世界シェア3位を目指す
環境に優しい製品づくりの技術では材料開発を進め、サステナブル原材料比率向上に取り組み、2030年までに材料調達量ベースで全体サステナブル原材料比率40%の達成を目指す。これらの技術に加え、静粛性に優れるサイレンコアやサイレントコア対応のIMSなどを組み合わせることで将来のモビリティ社会の期待とニーズに応える。
一方、スポーツ用品事業のゴルフ用品では、北米への積極的な販売投資により、2023年の事業利益が対前年同期比10%増を達成する見込みで、2027年には2022年比100%増に到達する見通しだ。加えて、ゴルフボール生産能力の拡大による供給力15%アップと日米開発体制の最大限活用で事業の拡大を図り、ゴルフクラブとゴルフボールで世界シェア3位を目指す。
テニス用品では、2023年に「DUNLOP」ブランドが英国でテニスボールを生産開始してから100周年を迎えた。テニスボールの国内シェアは1位で世界シェアは3位となっており、ATP(男子プロテニス協会)ツアー大会でのテニスボール使用率(40%超)は1位だ。テニスボールの売り上げについては2022年比で2023年に7%増を達成し、2027年に30%増に到達する見込みだ。
また、産業品事業では、住友ゴム工業独自の高減衰ゴムを活用した住宅用制振ダンパーが国内シェアで1位を獲得している。さらに、住宅用よりも機能を高めた制振ダンパーを開発し、ビル、橋梁(きょうりょう)、市場拡大が進む自動物流倉庫などに展開し、事業を拡大する。住宅用制振ダンパーの供給棟数は、2022年比で2023年に25%増を達成し、2027年に60%増に達する見込みだ。
ESG経営に関しては、2023年3月に発表したタイヤ事業のサーキュラーエコノミー構想「TOWANOWA」のサステナブルリングに位置する回収/リサイクルの取り組みとして、住友ゴム工業、住友理工、住友電気工業の3社協業で、米国のバイオ技術会社であるLanzaTechとリサイクル技術の開発を開始した。この技術により、使用済みのタイヤからゴム原料のイソプレンや金属を生成し、生成した材料をタイヤの製造で活用する。
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