HPEが実現するEdge to Cloudのアーキテクチャは多様な規模に対応:製造業IoT(1/2 ページ)
日本ヒューレット・パッカードは、東京都内で開催したイベント「Atmosphere'23 Japan」で、多様な規模の企業がさまざまな環境で活用できるEdge to Cloudのアーキテクチャを紹介した。
日本ヒューレット・パッカード(日本HPE)は2023年7月13日、東京都内で開催したネットワーク製品のユーザーイベント「Atmosphere'23 Japan」を開催した。「“繋がる”の新時代到来、ネットワークに新たな一手を」と題した基調講演では、同社でネットワーク製品を手掛けるAruba事業が実現する「Edge to Cloud(エッジで取得したデータをクラウドに保存)のアーキテクチャ」について紹介した。
アクセスポイントの累計販売台数は2760万台
HPEのAruba事業は、アクセスポイントなどのWi-Fi用通信機器の販売からスタートし、主に安全で効率的な通信ネットワークの構築に役立つ製品とサービスを提供している。現在では、主にWi-Fi、スイッチ、SD-WAN(Software Defined-Wide Area Network)、DCN(Data Communication Network)、SASE(Secure Access Service Edge)、プライベート(ローカル)5G用の機器とサービス、Network as a Service(NaaS)、クラウドベースのネットワーク管理用システムのHPE Aruba Networking Central、Aruba AI(人工知能)を扱っている。
HPE インテリジェント・エッジ事業担当上級副社長のフィル・モットラム氏(左)とAruba事業を構成するソリューション(右)[クリックで拡大] 出所:Hewlett Packard Enterprise
2003〜2023年のアクセスポイントの累計販売台数は2760万台で、複数のコンピュータとLAN接続を行うネットワーク機器であるスイッチの「Aruba CX」シリーズは2017年に販売を開始し2023年までに累計で2300万台を売り上げているという。拠点間やクラウドでの通信接続で柔軟なネットワーク構成やトラフィックコントロールなどを実現する技術であるSD-WANのサービスは累計で3400社に販売されている。3400社での採用は、高いSD-WANの開発力を持っていた米国のSilver PeakをHPEが2020年に買収して、グループ会社のAruba EdgeConnect SD-WANとすることで、SD-WANのサービスが強化されたことが一因になっているという。
データ通信を行うネットワークであるDCN用のスイッチである「Aruba CX10000」の累計販売台数は1400台を達成している。プライベート5G用のサービスに関しては、HPEが2023年2月にプライベートセルラーネットワーク技術プロバイダーであるイタリアのAthonet(アソネット)を買収したことで立ち上がった。これにより、Aruba事業の一部として企業に直接プライベートネットワーキング機能を提供可能になった他、通信サービスプロバイダーが顧客向けにプライベート5Gネットワークを迅速に展開することを支援できるようになったという。
また、HPEではAruba事業の戦略の中核にサステナビリティを位置付けている。HPEの米国本社でインテリジェント・エッジ事業担当上級副社長を務めるフィル・モットラム(Phil Mottram)氏は「ユーザーが利用を終えた当社のアクセスポイントなどの機器は回収しリサイクルしている。これまでに300万台の機器を回収し再利用しており、回収した機器の総重量は約1万2000トンに達している。さらに、当社が提供しているNaaSでは、契約終了後に構築したネットワークをユーザーから返却してもらう。このネットワークをクリーンアップし、他の企業に提供している。これもサステナビリティに関する取り組みだ」と話す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.