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仏研究機関も迎えて磨く金属積層造形技術、ミシュランの群馬共創拠点が活発化金属3Dプリンタ(1/2 ページ)

群馬積層造形プラットフォームは技術報告会を開催し、新規メンバーの群馬県立産業技術センターとフランスの国立産業技術センター「CETIM」との連携推進や、今後の技術開発テーマと方向性を示す「探索マップ」について発表した。

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 群馬積層造形プラットフォーム(GAM)は2023年5月17日、群馬県庁(群馬県前橋市)において技術報告会を開催し、新しくGAMに加わった群馬県立群馬産業技術センターとフランスの国立産業技術センター「CETIM」との連携推進や、今後の技術開発テーマと方向性を示す「探索マップ」について発表した。

 GAMは、ミシュランの日本法人である日本ミシュランタイヤと群馬県内の製造業企業が2021年に設立した金属積層造形(AM)に関するオープンプラットフォームだ。2022年には、活動拠点となる共創型技術拠点「ミシュランAMアトリエ」をミシュランタイヤ太田サイト(群馬県太田市)内に設立。アトリエ内には、ミシュランの合弁企業であるフランスのAddUp(アダップ)のパウダーベッド式金属3Dプリンタが2台置かれ、メンバー企業が共同開発や人材育成に活用している。

 現在の会員数はサロン会員7社、賛助会員8社、正会員5社、アドバイザー2団体の計22社/団体となっている。積層造形の基礎や実際に装置を使った実技などを学ぶ教育プログラムでは、 これまでに初等教育を10社60人、中等教育を2社4人が受講した。

ミシュランAMアトリエに置かれたAddUPの金属3Dプリンタ
ミシュランAMアトリエに置かれたAddUPの金属3Dプリンタ[クリックで拡大]出所:日本ミシュランタイヤ
ミシュランAMアトリエでのトレーニングの模様
金属微細粉末を使うため防塵服を着て行われたミシュランAMアトリエ内でのトレーニングの模様[クリックで拡大]出所:日本ミシュランタイヤ

 今回、発表された探索マップは、GAMが金属3DプリンタによるAMをモノづくりに実装し、新しい価値を生み出すまでの道筋を示すためのものだ。「GAMの取り組むテーマ」「価値を実現するための方策」「乗り越えるべき課題」「AMのもたらす新たな価値」の4つのステップで構成され、それぞれ青、紫、オレンジ、緑で示されている。このマップを基に共同開発を進め、課題や解決への取り組みを明確にする。

 GAM 代表理事で共和産業 代表取締役社長の鈴木宏子氏は「AMはまだ成熟しておらず、発展する余地の大きいビジネスだ。研究開発や検証、実用化の途上ではさまざまな課題が起こり、それらを解決するだけではなく、時には軌道修正する必要もある。その際に進むべき道筋をビジュアル化するために探索マップを作成した」と話す。

探索マップのイメージ
探索マップのイメージ[クリックで拡大]出所:GAM

 GAMで最初で取り組む具体的なテーマは、形状に適した冷却配管を内部に持つ「コンフォーマル冷却金型」と「少量生産品」への金属3Dプリンタの適用となった。

GAM 代表理事で共和産業の鈴木氏
GAM 代表理事で共和産業の鈴木氏[クリックで拡大]

 鈴木氏はその背景を「欧米では航空宇宙産業や医療産業に金属3Dプリンタが使われているが、日本とは産業構造が異なっている。金属3Dプリンタによって従来できなかった複雑な冷却回路を持つ金型を作ることができれば、冷却性が上がり、品質、生産性が高まる。また、部品メーカーは既に量産が終了した自動車でも金型などを保管しているが、少量のアフターパーツを生産するために結果的に高いコストがかかってしまうケースもある。金属3Dプリンタならそういった手間を省いて作ることができる」と語る。

コンフォーマル冷却金型の探索マップ少量生産品の探索マップ コンフォーマル冷却金型(左)と少量生産品(右)のAM適用に向けた探索マップ[クリックで拡大]出所:GAM

 その上で、2023年になって新たに加わったCETIMの存在は大きい。金属3Dプリンタの活用が進む欧州でのノウハウが共有されるからだ。

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