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「Jetson Orin Nano」の開発者キットはエッジでトランスフォーマーモデルが動く人工知能ニュース

NVIDIAは、「GTC(GPU Technology Conference) 2023」において、組み込み機器向けAIモジュールの新製品「Jetson Orin Nano」の開発者キットを発表した。同年4月の出荷予定で、米国での価格は499米ドル。

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 NVIDIAは、オンラインで開催したユーザーイベント「GTC(GPU Technology Conference) 2023」(開催期間:同年3月20〜23日)において、組み込み機器向けAI(人工知能)モジュールの新製品「Jetson Orin Nano」の開発者キットを発表した。同年4月の出荷予定で、米国での価格は499米ドル。日本国内向けでは、菱洋エレクトロ、ネクスティエレクトロニクス、マクニカが3月22日から先行予約販売を開始している。菱洋エレクトロのオンラインショップでの価格(税別)は6万98000円となっている。

「Jetson Orin Nano」の開発者キット
「Jetson Orin Nano」の開発者キット[クリックで拡大] 出所:NVIDIA

 2022年9月開催の「GTC September 2022」で発表されたJetson Orin Nanoは、AI処理性能が275TOPS(1TOPSは毎秒1兆回の演算性能)に達する「Jetson AGX Orin」と同じAmpereアーキテクチャを採用した“Orin世代”の製品となる。これまで、最大275TOPSのJetson AGX Orin、最大100TOPSの「Jetson Orin NX」が発表されていたが、より安価なエントリークラス製品として設定されたのが最大40TOPSのJetson Orin Nanoとなる。

 これまで「Jetsonシリーズ」のエントリークラス製品と言えば、99米ドルと安価にAIモジュールの性能を試せる「Jetson Nano」が知られている。Jetson Orin Nanoは、AI処理性能20TOPSのメモリ容量4GBモデルと、40TOPSの8GBモデルがあり、価格はそれぞれ199米ドル、299米ドルとなっている。Jetson Nanoと比べて価格は2〜3倍になったものの、AI処理性能は40〜80倍に向上している。

 Jetson Orin Nanoの開発者キットは、Jetson Orin Nanoの8GBモデルを中核にレファレンスキャリアボード、組み立て済みのヒートシンクと冷却ファン、19VのDC電源、M.2-Key Eベースの無線ネットワーキングモジュールが付属している。ストレージとしては、ブート可能なmicroSDスロットの他、レファレンスキャリアボードの下側にM.2 Key-M NVMeソケットが2つ用意されている。なお、このレファレンスキャリアボードはJetson Orin NXにも対応している。開発者キット全体の外形寸法は、幅100×奥行き79×高さ21mm。

 Jetson Nanoをはるかに上回るJetson Orin NanoのAI処理性能の活用法としては、ジェネレーティブAIとして急速に活用が広がりつつある「ChatGPT」にも用いられたトランスフォーマーモデルをエッジデバイスで動作可能な点に注目が集まっている。取り扱うパラメーターの多さから、トランスフォーマーモデルはクラウド上での動作が前提とされているが、Jetson Orin Nano開発者キットを活用すればエッジデバイスにおけるトランスフォーマーモデルの活用を検討できるようになるという。

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