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超小型衛星の開発を単一プラットフォームで、ジェネレーティブデザインや金属3Dプリンタも活用デジタルモノづくり(3/5 ページ)

オートデスクは、同社ソリューションやソディックの金属3Dプリンタを活用したモノづくりの先進事例として、日本大学理工学部 航空宇宙工学科が研究開発を進めている超小型衛星「CubeSat」および小型衛星トレーニングキット「HEPTA-Sat」の取り組みを紹介するプレスツアーを開催した。

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人間の知恵とジェネレーティブデザインとの相乗効果

 さらに、人工衛星の構造設計では、Fusion 360のジェネレーティブデザイン機能を活用している。「ジェネレーティブデザインは、コンピュータによってデザインの最適解を素早く見つけ出す技術であり、従来の構造最適化アルゴリズムとは異なり、ユーザーから見た制約条件や要求事項を入力として、出力(解)が得られる点に新しさを感じている」(山崎氏)。設計目標や空間条件、材料、製造方法、コストの制約などのパラメータを入力することで、新しい形状が得られるジェネレーティブデザインを、小型衛星に搭載するカメラの治具に適用したところ、剛性を上げながら、質量や最大応力を減らすことができたという。

ジェネレーティブデザインの概要について
ジェネレーティブデザインの概要について[クリックで拡大] 出所:日本大学理工学部 航空宇宙工学科

 実際にカメラ治具の設計を担当した柳原氏は「ジェネレーティブデザインでは、重さ、剛性、応力、デザイン性、材料などさまざまなパラメータがあり、これらに即した結果が複数提案される。その中から設計者が自分たちのゴール(CubeSatの場合は軽量化と剛性の向上)に適したデザインを選択し、そこからさらに改良を加えていく必要がある」と述べる。

 このように、人間の既存の知識との相乗効果が期待できる“ジェネレーティブデザインの価値”について、山崎氏は(1)デザインのアイデアを簡単に形にできる点、(2)新しい設計解を発見できる点、(3)AIと対話しながらデザインできる点の3つを挙げ、その可能性について高く評価する。

ジェネレーティブデザインの3つの価値
ジェネレーティブデザインの3つの価値[クリックで拡大] 出所:日本大学理工学部 航空宇宙工学科

 また、山崎研究室では、実際にジェネレーティブデザインで導き出した形状を、ソディックの金属3Dプリンタで造形する取り組みにも着手している。具体的にはPreludeに搭載するカメラの治具と、後述する小型衛星トレーニングキット(HEPTA-Sat)の筐体パネルを造形したという。山崎氏は「他の従来工法との比較も進めながら、将来的に超小型衛星の支持構造として金属3Dプリンタで造形した部品を搭載することを目指し、取り組みを進めていきたい」とし、金属3Dプリント技術の宇宙利用への期待を述べる。

金属3Dプリント技術の宇宙利用に向けて
金属3Dプリント技術の宇宙利用に向けて[クリックで拡大] 出所:日本大学理工学部 航空宇宙工学科
カメラの治具HEPTA-Satの筐体パネル ジェネレーティブデザインで導き出した形状をソディックの金属3Dプリンタで造形したもの。(左)カメラの治具/(右)HEPTA-Satの筐体パネル[クリックで拡大]

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