モーター制御用位置センサー向けに、80種類のレファレンスデザインを公開:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、モーター制御用「インダクティブポジションセンサー」のデザイン集「Resolver 4.0カタログ」を公開した。車載用や産業用モーターのレファレンスデザインを80種類掲載している。
ルネサス エレクトロニクスは2022年9月15日、モーター制御用「インダクティブポジションセンサー」のデザイン集「Resolver 4.0カタログ」を公開した。同社Webサイトから無料でダウンロード可能だ。
Resolver 4.0カタログでは、80種類のレファレンスデザインから、車載用や産業用などユーザーの用途に適したモーターのデザインを選んで、短期間で効率的にモーターを開発できる。
インダクティブポジションセンサーは、プリント基板上のコイルパターンをセンシング素子としており、磁石が必要ないため、周辺磁場に対する耐性が高い。また、高度な位置検出に加え、薄型軽量の柔軟な設計が可能だ。
カタログには、車載用モーター、ロボット、サーボモーター、ホームオートメーション、医療などに適したセンサーデザインを記載した。モーターシャフトと極対の構成やサイズごとに、回路図、部品表、プリント基板の設計図、ガーバーファイル、測定レポートなどをリスト化している。また、カタログ内のデザインは全て、最大回転数600krpmの車載用センサーIC「IPS2550」と、最大回転数250krpmの産業用センサーIC「IPS2200」に対応している。
同社は、コイル最適化ツール「ICOT(Inductive Coil Optimization Tool)」やソフトウェアスタックも提供し、高速モーターの回転制御の開発を支援するとともに、車載モーターの低コスト化によるEVの普及も見込む。
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