日本市場で飛躍を図るトルンプ、自動化やEVへの流れで需要取り込む:FAニュース(1/2 ページ)
トルンプ(TRUMPF)は日本法人の代表取締役社長に就任した高梨真二郎氏の記者会見を神奈川県内で開催し、高梨氏は日本市場の現状やサプライチェーンの問題、今後の注力分野などを語った。
トルンプ(TRUMPF)は2022年9月15日、日本法人の代表取締役社長に同月1日付で就任した高梨真二郎氏の記者会見を神奈川県内で開催し、高梨氏は日本市場の現状やサプライチェーンの問題、今後の注力分野などを語った。
国内の自動化のニーズに対応、半導体大手採用で電源も伸長
トルンプの日本での事業は板金加工機械を扱うマシン事業部門、レーザ発振器および周辺機器を扱うレーザ事業部門、各種電源を扱うエレクトロニクス事業部、3D(3次元)CAD/CAMシステムや生産管理システムの開発を手掛けるエフエーサービス事業部門という4つに分かれている。
その中でも、マシン事業部門が売上高の半分ほどを占める。主に扱っているのは2Dレーザ切断機、パンチレーザ複合加工機、曲げ加工機、レーザ溶接機などで、高梨氏は「板金加工というと斜陽のイメージを持たれる方もいるかもしれないが、海外に出していた仕事がコロナ禍に戻ってきたり、外注を内製に切り替える流れが生まれたりして、仕事自体は増えている」と語る。
特にパンチレーザ複合加工機は「効率化を求める日本とドイツで好まれている。他の国はパンチのみ、レーザのみでの販売が多い」(高梨氏)という。
複合機に材料を送る搬送装置についても、顧客の要求に応えるため日本でも開発、製造している。人手不足などを背景とした自動化、機械化のニーズは国内で高く、高梨氏は「われわれも機械化、自動化に着目して製品開発を進めてきた。そういった装置を付ける顧客の割合も高まってきており、ますます伸びていくと見込んでいる。生産委託先に増産依頼もしている」と語る。
また、エレクトロニクス事業部では国内の大手半導体メーカーの採用が決まり、もともと電源を扱っていたトルンプ・ヒュティンガを2019年に吸収合併した時と比べ、売上高は300〜400%の伸びを示しているという。「大きな収入源になっていくのは間違いない。迅速な納入とサポートが求められるため、サービスセンターを顧客のそばに作る予定だ」(高梨氏)。
レーザ事業部については、自動車のEV(電気自動車)化が進む中で、特にバッテリーの製造過程への拡大を目指す。
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