自動車のマフラーと同じ原理で消音、防音Bluetoothマイク「mutalk」でお静かに:組み込み開発ニュース(1/2 ページ)
Shiftallは防音Bluetoothマイク「mutalk」を発表。オンライン会議や動画/ゲーム配信、メタバースでのボイスチャットなどを行う際に、自分の声を周りに聞こえにくくし、同時に周囲の騒音がマイクに入りづらくするというコンセプトで開発し、通常の音域であれば−20db、叫び声などに含まれる高音域であれば−30db程度の消音効果が得られるという。
Shiftallは2022年9月2日、東京都内で会見を開き、開発を完了した防音Bluetoothマイク「mutalk(ミュートーク)」について説明した。mutalkは、オンライン会議や動画/ゲーム配信、メタバースでのボイスチャットなどを行う際に、自分の声を周りに聞こえにくくし、同時に周囲の騒音がマイクに入りづらくするというコンセプトで開発された。通常の音域であれば−20db、叫び声などに含まれる高音域(1600〜2000Hz)であれば−30db程度の消音効果が得られるという。同日からShiftallのWebサイトで予約受付を開始しており、2022年11〜12月の発送開始を予定している。税込み価格は1万9900円。
mutalkは、自動車や二輪車のエンジン騒音を抑制するマフラーと同様に、ヘルムホルツ共鳴器の原理を利用して大幅な消音効果を実現している。Shiftallは2022年1月開催の「CES 2022」でmutalkの試作モデルを公開しているが、開発を完了した今回の製品版は大幅な小型/軽量化を実現している。同社 代表取締役 CEOの岩佐琢磨氏は「ヘルムホルツ共鳴器の構造を最適化するとともに、使用する樹脂部材の薄型化を図るなどして、試作モデルと比べて2〜3割ほど容積が小さくなった」と語る。
また、mutalkと組み合わせての利用が想定されるVR(仮想現実)ヘッドセットの「Meta Quest 2」がゴーグル部の下方にトラッキング用のカメラを設置しており、mutalkのサイズが大きいとこの機能を阻害することも課題になっていた。今回の製品版であれば、Meta Quest 2との干渉も起きにくいとしている。
マイク機能についてはPCやスマートフォン、VRヘッドセットとBluetoothでペアリングすることで利用できる。Bluetoothの高音質通話規格であるHD Voice(16ビット、1万6000Hz)に対応することで、一定の音質も確保した。なお、スマートフォンの場合、Bluetoothマイクとイヤフォンを別々のデバイスで動かすことができないが、mutalkは下部に3.5mmミニプラグを設けており、ここにイヤフォンを接続できるようになっている。
mutalkの利用シーンとしては、オンライン会議などで発話する時だけ口に付ける場合と、動画/ゲーム配信やメタバースでのボイスチャットのようにハンズフリーが求められる場合の2種類を想定している。オンライン会議向けでは、mutalkに組み込んだ加速度センサーを用いて底面をデスクに向けて置くことで自動でミュートになる機能を搭載した。発話する時にmutalkを手にもって口に付ける際には、自動でミュートが解除される。ハンズフリー向けとしては、mutalkを簡単に脱着できるバンドを同梱している。
充電はUSB Type-Cインタフェースで行う。満充電までの充電時間は1時間で、連続で8時間利用できる。外形寸法は幅123×高さ107.5×奥行き67mmで、重量は183g。口と接触するゴム製のマウスパッドと、唾液の飛沫を受ける吸湿クッションが脱着可能となっており、それぞれ水洗いが可能である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.