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脱炭素に挑む日独の違いを見た、ハノーバーメッセ2022レポート【後編】:ハノーバーメッセ2022(2/3 ページ)
世界最大規模の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2022」が、5月30日(現地時間)にドイツのハノーバー国際見本市会場で開幕しました。現地参加した筆者が前後編で会場レポートをお届けします。
CO2排出量データ共有目指す協会発足
今回の欧州メーカーの展示は、産業全体のCO2排出量を削減するためのソリューションに比重を置いていた印象です。
例えば、フランスのシュナイダーエレクトリックは、元は電源装置のメーカーですが、いまは予防保全やデジタルツイン、エネルギー管理ソリューションなど、幅広い分野を自社の装置とソフトウェア製品でカバーしています。
同社の特徴の1つに、ソフトウェアプラットフォームを開放していることが挙げられます。自社ソリューションの不足部分を、他社のソフトウェアをプラグインして補完することでエコシステムを形成しています。例えば、デジタルツインでプラントを再現するために、IoT(モノのインターネット)データを集約できれば他社装置との連携がスムーズになります。
またシーメンスは、CO2排出量に関わるデータをサプライチェーン全体で共有する協会を立ち上げると発表しました。ドイツ企業が中心的役割を担う印象ですが、日本企業としてNTTデータなども入会しています。国ごとに異なるCO2測定・計算方法の標準化、CO2排出量の削減技術や知見の共同開発を主目的に、協会の拡大を図るとしています。
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