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次世代燃料、バイオ素材……国内モータースポーツで加速する脱炭素モータースポーツ超入門(14)(1/3 ページ)

国内で行われている3つの最高峰レースカテゴリー「スーパーフォーミュラ」「スーパーGT」「スーパー耐久」において、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが活発になっている。合成燃料や環境配慮素材の採用、次世代パワートレインの先行投入など、将来に渡って持続可能なレースシリーズの構築をめざす動きが急速に進んでいる。

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 国内で行われている3つの最高峰レースカテゴリー「スーパーフォーミュラ」「スーパーGT」「スーパー耐久」において、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが活発になっている。合成燃料や環境配慮素材の採用、次世代パワートレインの先行投入など、将来に渡って持続可能なレースシリーズの構築をめざす動きが急速に進んでいる。

→連載「モータースポーツ超入門」バックナンバー

 国内トップフォーミュラレースであり、F1(フォーミュラ・ワン)にステップアップするための登竜門カテゴリーでもあるスーパーフォーミュラ。プロモーターの日本レースプロモーション(JRP)は、持続可能なモータースポーツ業界の構築に向けた新プロジェクト「スーパーフォーミュラネクスト50(ゴー)」を2022年シーズンからスタートさせた。このプロジェクトの一環としてカーボンニュートラルに寄与する次世代技術開発を強化しており、環境に配慮した材料を使ったボディーカウルやタイヤ、合成燃料を本格導入するためのテスト走行を始めている。

 ボディー素材では、麻などの天然素材を活用したバイオコンポジットの開発に取り組む。現在のレーシングカーは軽量で高剛性のCFRP(炭素繊維複合材料)が使われているが、製造段階で多くのCO2を排出してしまう。この一部をバイオコンポジットに代替する狙いだ。開発テストではCFRPと同等の剛性と重量を確保しながら、CO2排出量を約75%削減できるスイスのBcompの軽量化技術を採用。耐熱性など素材特性を含めたカウル素材としての適用部位を探り、段階的に使用範囲を広げていく。


バイオコンポジット製ボディーカウルとサステナブル素材を用いたレーシングタイヤを装着したスーパーフォーミュラマシン[クリックで拡大] 出所:日本レースプロモーション

 タイヤでは、ワンメークサプライヤーの横浜ゴムがサステナブル素材を採用したレーシングタイヤを開発する。米の籾殻(もみがら)から生成したシリカ、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど自然由来の配合剤をタイヤ材料の一部として活用。合わせて、廃タイヤから再生したゴムなども利用し、グリップ性能と環境性能を両立させるタイヤ開発に挑んでいる。来シーズンの実戦投入を予定しており、2025年にはサステナブル素材を35%以上使用したレーシングタイヤの供給をめざす。

 燃料については、スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)と連携。スーパーフォーミュラにエンジンを供給するトヨタ自動車、ホンダとともに原材料に化石成分を一切しないカーボンニュートラル燃料の導入を進めている。

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