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東芝は3分割から2分割へ、非注力のビル3事業を売却し研究開発体制も確定製造マネジメントニュース(2/3 ページ)

東芝は、2021年11月に発表した3つの独立会社に分割する方針について、東芝本体にインフラサービス事業を残し、デバイス事業のみを分離独立させる2分割案に変更する方針を発表。インフラサービス事業のビルソリューションを構成する空調、昇降機、照明の3事業を非注力事業とし売却する方針も決めた。

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空調、昇降機、照明の3事業を売却、東芝テックは「協働する」

 今回の2分割案の発表では、事業ポートフォリオの見直し方針も明らかにした。経営の重要指標であるROIC(投下資本利益率)が高く、新たに発足するインフラサービスCo.とデバイスCo.の注力領域である「カーボンニュートラル」と「インフラ強靭化」との関係性が高い事業に経営資源を集中する。

注力領域との関係性とROICに基づく事業別ポジショニング
注力領域との関係性とROICに基づく事業別ポジショニング[クリックで拡大] 出所:東芝

 この方針において、非注力事業とされたのが、ビルソリューションを構成する空調、昇降機、照明の3事業と、POS端末や複合機を手掛ける東芝テックである。空調、昇降機、照明の3事業については、成長ポテンシャルを実現できるパートナーとの再編や外部資本の導入によって価値を顕在化すべきと判断し、外部企業への売却を可及的速やかに実行する。

非注力事業の状況と方向性
非注力事業の状況と方向性[クリックで拡大] 出所:東芝

 空調事業を手掛ける東芝キャリアについては会見と同日の2022年2月7日付で、合弁パートナーである米国キャリア(Carrier)に対して、東芝保有分株式55%分を1000億円で譲渡することを発表した。今後は、東芝エレベータを中核とする昇降機事業、東芝ライテックに代表される照明事業についても2022年度内の最終契約合意に向けて売却プロセスを進める。綱川氏は「今回のポートフォリオの入れ替えは2021年6月から検討しており、同年11月の3分割案発表以降に突然決まったことではない。3事業は東芝の新しい経営体制では非注力事業ではあるものの、社会にとっては重要な事業であり、外部企業との連携で成長を目指してもらいたい」と説明する。

非注力事業の方針
非注力事業の方針[クリックで拡大] 出所:東芝

 なお、東芝テックについては「東芝テック自身の中長期の成長プランを促進すべく、実務上可能な限り短期のうちに東芝テックと協働する」(同氏)とコメントするだけにとどめており、株式売却などの方向性については明らかにしなかった。

非注力事業の再編スケジュール
非注力事業の再編スケジュール[クリックで拡大] 出所:東芝

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