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電池の「セル」「モジュール」「パック」、その違いをおさらい今こそ知りたい電池のあれこれ(9)(1/3 ページ)

突然ですが問題です。乾電池のサイズを表す際には「単1」「単2」といった名称を用いますが、この「単」とは何を意味しているでしょうか。

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「単1」「単2」の単は何を意味している?[クリックで拡大]

 突然ですが問題です。乾電池のサイズを表す際には「単1」「単2」といった名称を用いますが、この「単」とは何を意味しているでしょうか。

 正解は「 単位 」です。[クリックで答えを表示]

→連載「今こそ知りたい電池のあれこれ」バックナンバー

 英語の「Unit cell」(単電池)を語源としており、それ単体が単一、単独で電池として機能する「最小構成単位」の電池であるという意味で「単」という名称が用いられます。リチウムイオン電池の場合、最小構成単位の電池は「セル」「単セル」などと呼ばれることが多く、その形状から「円筒型セル」「角型セル」「ラミネートセル」に大別されます。

 円筒型セルはその名の通り丸い筒状の電池です。身近な存在である乾電池も円筒型であり、電池としては最もなじみのある形状かと思います。円筒型の金属筐体の中に正極/負極/セパレータを重ねてグルグルと巻き上げたロール状の構造体(捲回体)を封入して作られます。

 リチウムイオン電池の場合、乾電池よりも一回りほど大きなサイズのものが主流です。代表的なものは「18650」(外径約18mm、長さ約65mm)と呼ばれ、ノートPC、モバイルバッテリー、電動工具、一部の電気自動車(EV)などにも採用されています。


円筒型のリチウムイオン電池のサイズの比較[クリックで拡大]

 円筒型は他の構造のセルよりも生産性に優れており、比較的安価に量産可能です。一方、円筒という形状ゆえに多数のセルを搭載しようとした場合にどうしても隙間が生じてしまい、空間効率が悪くなりがちです。また、電池容量を増大させるためには巻き数を増やし、円筒の径を大きくする必要があるため、あまり大型化するとセルの中心部に熱がこもりやすいという一面もあります。

 テスラは2020年9月に開かれた電池開発進捗報告イベント「Battery day」において、大径円筒型セル「4680」(外径約46mm、長さ約80mm)を発表しました。大径化に伴う課題を克服しつつ容量の増大を狙ったものであり、現在は電池メーカーの協力のもと、開発が進められています。


テスラが発表した大径円筒型セル[クリックで拡大] 出所:テスラ
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