銅加工に強い青色レーザーの実証施設をパナソニックが開設、EV用電池などで需要増:金属加工技術(1/2 ページ)
パナソニック スマートファクトリーソリューションズは2021年11月26日、大阪府豊中市の同社事業所内に、青色レーザー加工機の用途開拓や共同研究を行う拠点として、プロセス実証センター「Advanced Material Processing Connect Lab(AMP Connect Lab)」を同年12月1日に開設すると発表した。同センターで検証を進めた青色レーザー加工機を2022年度に製品化する計画だ。
パナソニック スマートファクトリーソリューションズは2021年11月26日、大阪府豊中市の同社事業所内に、青色レーザー加工機の用途開拓や共同研究を行う拠点として、プロセス実証センター「Advanced Material Processing Connect Lab(AMP Connect Lab)」を同年12月1日に開設すると発表した。同センターで検証を進めた青色レーザー加工機を2022年度に製品化する計画だ。
DDL方式とWBC技術が強みに
パナソニック スマートファクトリーソリューションズは60年以上にわたり溶接機やロボット、レーザー加工機の開発や生産を行っている。顧客企業の加工物に合わせてアーク溶接機器からレーザー溶接機器までさまざまな製品をそろえていることが特徴だ。その中で同社の技術的な特徴が、レーザーダイオードを直接駆動するため波長の種類を変更できるDirect Diode Laser(DDL)方式のいち早くの採用とWBC(Wavelength Beam Combining、波長合成技術)である。WBCはレーザービームを回折格子で1点に集める技術で、焦点スポットが小さく、高いビーム品質を実現できる技術だ。
一方で、世界的な環境規制強化の流れから、需要が高まっているのが、銅などの難加工材量の微細加工である。EV(電気自動車)用のリチウムイオン電池などでは銅系材料の使用が必須となっているが、従来の近赤外レーザーでは吸収率が低いため、エネルギーロスも大きく、また固体と液体で光吸収差が大きく、加工が難しかった。そこで、注目されているのが青色レーザーを活用した銅系素材の加工である。青色レーザーは、銅系素材でも吸収率が高く、さらに固体と液体での光吸収差がないため、エネルギーロスが小さく安定した加工が行える。
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