ソニーのローカル5G事業参入は民生向けから、B2B向けではエンタメ革新も視野:製造業IoT(1/2 ページ)
ソニーグループの100%子会社であるソニーワイヤレスコミュニケーションズが国内向けのローカル5G事業に参入すると発表。2022年春から、一般ユーザーを対象にローカル5Gを利用した集合住宅向けインターネット接続サービス「NURO Wireless 5G」の提供を始める。月額利用料金は「NURO光」と同等の5000円前後を想定している。
ソニーグループの100%子会社であるソニーワイヤレスコミュニケーションズは2021年11月29日、オンラインで会見を開き、国内向けのローカル5G事業に参入すると発表した。2022年春から、一般ユーザーを対象にローカル5Gを利用した集合住宅向けインターネット接続サービス「NURO Wireless 5G」の提供を始める。月額利用料金は、ソニーネットワークコミュニケーションズの光回線サービス「NURO光」と同等の5000円前後を想定している。
会見の登壇者。左から、ソニーワイヤレスコミュニケーションズ 社長 兼 ソニーネットワークコミュニケーションズ 社長の渡辺潤氏、いきものがかりの水野良樹氏、ソニーグループ 常務 事業開発プラットフォーム担当の御供俊元氏[クリックで拡大] 出所:ソニーワイヤレスコミュニケーションズ
NURO Wireless 5Gは、ローカル5Gが、限られたエリア、限られた利用者向けの独自ネットワークであり、アクセス集中が発生しづらく安定した通信が可能という特徴を活用した集合住宅向けインターネット接続サービスである。ソニーグループでは、ソニーネットワークコミュニケーションズがNURO光を展開しているが、配管などの建物設備上の問題で光回線を通線できない集合住宅も存在している。無線通信であるNURO Wireless 5Gは、アンテナ設置済みのサービスエリアであれば、光回線サービスのような工事をすることなく、専用のホームルーターを設置するだけですぐに利用を開始できることが大きなメリットになる。
また、通信キャリアによる5Gサービスの場合、状況によっては速度制限や容量制限が発生することもあるが、NURO Wireless 5Gは速度制限なし、容量制限なしをうたっている。利用料金も、基本的に速度制限なし、容量制限なしの回線サービスであるNURO光と同等に設定した。専用ホームルーターはレンタル利用で購入する必要はない。有線LANポートを2.5GBASE-T×1、1000BASE-T×3、無線LANもIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)まで対応しており、一般ユーザー向けとして十分な性能を確保している。
ローカル5Gサービスとしては、制御信号とデータ送受信ともに5Gを用いるSA(Stand Alone)構成で、周波数は4.8G〜4.9GHz帯を使用する。5Gの特徴である高速、大容量の通信に求められる28GHz帯のミリ波を用いたサービスの提供も検討しているという。サービス提供エリアとしては、北海道、関東(東京、神奈川、埼玉、千葉)、東海(愛知、静岡)、関西(大阪、兵庫、奈良)、九州(福岡)の一部で、今後順次拡大する方針だ。
なお、NURO Wireless 5Gは既にエリアとユーザーを限定して2021年10月1日からプレサービスを開始しており「ローカル5G商用免許での住宅向け固定インターネット接続サービスとしては国内初の取り組みになる」(ソニーグループ 常務 事業開発プラットフォーム担当の御供俊元氏)としている。
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