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2D図面の“一義性”を考える【その3】補助投影図を使用した図形の表し方3D CADとJIS製図(5)(2/4 ページ)

連載「3D CADとJIS製図の基礎」では、“3D CAD運用が当たり前になりつつある今、どのように設計力を高めていけばよいのか”をテーマに、JIS製図を意識した正しい設計/製図力に基づく3D CAD活用について解説する。第5回は、補助投影図や部分投影図、局部投影図などを使用した図形の表し方を詳しく取り上げる。

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SOLIDWORKSで実際に補助投影図を描くには

 SOLIDWORKSで実際に補助投影図を描くには、「図面タブ」から[補助投影図]を選択し、補助投影図を作るための正面図のエッジを選択します。すると、図4のように、斜面に対向する位置に補助投影図が表示されます。なお、図面上にある「」や「図面ビューA」という記載は、補助投影図における関係を示すものになります。

SOLIDWORKSによる補助投影図の表示
図4 SOLIDWORKSによる補助投影図の表示[クリックで拡大]

 補助投影図では、図4のように「斜面の実形状を実線で表す」ことを目的にしています。その際、補助投影図で表す部分の向こう側の図形を、隠れ線や実線で表す必要はありません。隠れ線や実線を詳細に記してしまうと、縮む部分や不必要な線が表示されてしまうため、「見にくい=理解しにくい」図面になってしまいます。試しに、補助投影図に隠れ線を描き込んだものを図5に示します。ご覧の通り、本来必要である実形やサイズ(寸法)以外の情報が描き加えられることで、図面として明瞭なものではなくなってしまいました。

補助投影図へ隠れ線を描き入れた場合
図5 補助投影図へ隠れ線を描き入れた場合[クリックで拡大]

 別の例も見てみましょう。図6に、先ほどよりも非斜面部(ネジ穴が2つある方)が長い対象物(部品2)を示します。斜面から見ると、その向こう側にも形が見える形状です。図6のように、補助投影図の向こう側に見える図形を実線で描き入れてみましたが、ご覧の通り、見にくい図面になっていることが分かります。

補助投影図の向こう側に見える図形を実線で描き入れた場合
図6 補助投影図の向こう側に見える図形を実線で描き入れた場合[クリックで拡大]

 SOLIDWORKSの場合、初期状態の補助投影図は図6のようになりますが、不要なエッジを選択して非表示にすることで、図7のように分かりやすい投影図にすることができます。

図6を修正して分かりやすい投影図にした
図7 図6を修正して分かりやすい投影図にした[クリックで拡大]

 以上のように、丁寧に仕上げることを重視し過ぎて詳細に図面化したり、CADのデフォルト設定のまま図面化したりすると、時に「見にくい=理解しにくい」図面を作ってしまう可能性があります。そうならないように、補助投影図の目的をよく考えて図面を作図しましょう。

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