テストでバグ発見!(3)単位取得判定プログラムに潜むファイル入力のバグ:山浦恒央の“くみこみ”な話(145)(4/4 ページ)
提示された仕様とプログラム(バグを含む)から、自身の手でテストケースを設計し、バグを実際に見つけ、バグレポートまでを作成する実践的なシリーズ「テストでバグ発見!」。第3回は、大学の単位取得を判定するプログラムから、ファイル入力に潜むバグを見つけ出しましょう。
付録
ScoreEvaluation.pyをダウンロードする際にファイルが開けない、またはセキュリティの観点からWebサイトからファイルをダウンロードして開きたくない場合、下記のソースコードのテキストをコピーして使用してください。なお、プログラミング言語は、Python 3.9.5で動作します(Windows 10環境上で、動作確認済み)。
# # プログラム:単位取得判定プログラム(ScoreEvaluation.py) # 作成者:T.Yamaura, Y.Ohmori # import csv import sys from os import write studentNum = [] #学籍番号 midScore = [] #中間テストの点数 finalScore = [] #期末試験の点数 count = 0 #カウンタ用変数 #Score.csvを開き、データを代入する try: with open('score.csv') as f: reader = csv.reader(f) for row in reader: if int(row[0].isdigit()) == True and int(row[1].isdigit()) == True and int(row[2].isdigit()) == True: if len(row[0]) == 8 and int(row[0]) >= 0 and int(row[0]) <= 99999999: studentNum.append(int(row[0])) else: print('入力エラー') sys.exit() if int(row[1]) >= 0 and int(row[1]) <= 100: midScore.append(int(row[1])) else: print('入力エラー') sys.exit() if int(row[2]) >= 0 and int(row[2]) <= 100: finalScore.append(int(row[2])) else: print('入力エラー') sys.exit() else: print('入力エラー') sys.exit() count = count + 1 except Exception as e: print('例外が発生したので、プログラムを終了します') #評価結果をResult.csvに出力する try: with open('Result.csv','w', newline="") as f: writer = csv.writer(f) for i in range(count): #中間テストと期末テストを加算し、成績評価をする Score = int(midScore[i]) + int(finalScore[i]) if Score >= 180: Grade = 'S' elif Score >= 160 and Score <= 179: Grade = 'A' elif Score >= 140 and Score <= 159: Grade = 'B' elif Score > 120 and Score <= 139: Grade = 'C' else: Grade = '/' #評価結果を入力データの末尾に追加する writer.writerow([studentNum[i], midScore[i], finalScore[i], Grade]) except Exception as e: print('例外が発生したので、プログラムを終了します')
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東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士)
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