パナソニックがローカル5Gラボを横浜に開設、顧客やパートナー企業との共創を加速:製造業IoT(1/3 ページ)
パナソニック コネクティッドソリューションズ社とパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、パナソニックの佐江戸事業場(横浜市都筑区)内に開設した「Network Connect Lab」を報道陣に公開した。同施設を活用して、「現場マルチネットワークサービス」の顧客やパートナー企業との共創を加速させたい考え。
パナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社とパナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ)は2021年6月25日、パナソニックの佐江戸事業場(横浜市都筑区)内に開設した「Network Connect Lab」を報道陣に公開した。サブ6帯域(4.6G〜4.9GHz)とSA(Stand Alone)構成を用いるローカル5GシステムやプライベートLTE、Wi-Fi6などによるマルチアクセス制御技術の実証や検証を行える同施設を活用して、同年4月から提供を開始している「現場マルチネットワークサービス」の顧客やパートナー企業との共創を加速させたい考え。
PSSJ 取締役 専務執行役員/CTOの高嶋靖彦氏は「日本のあらゆる現場に安全なネットワークを提供する現場マルチネットワークサービスにより、当社が推進する『現場プロセスイノベーション』を加速させていく。今回開設したNetwork Connect Labを新たな共創の場として、顧客やパートナー企業に積極的に活用していただきたい」と語る。
現場マルチネットワークサービスは、ローカル5GやプライベートLTE、Wi-Fi6など複数の無線ネットワークだけでなく、ソフトウェアやエッジデバイスなども組み合わせて提供し、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートするサービスである。パナソニックが高い導入実績を持つ自治体向け防災システムやETCシステムなどの公共だけでなく、製造、物流、流通といった、現場プロセスイノベーションの対象分野にも展開を広げていく方針だ。PSSJ パブリックシステム事業本部 システム開発本部 ネットワークサービス事業センター センター長の野口太一氏は「Network Connect Labでは、顧客やパートナー企業にさまざまなIoT(モノのインターネット)デバイスやロボットなどを持ち込んでいただき、ローカル5GやプライベートLTE、Wi-Fi6などのネットワークをさまざまに組み合わせての検証が行えるようになっている。多様なユースケースを創出できる場にしていきたい」と述べる。
実験試験局免許を取得したローカル5Gの通信エリアであるNetwork Connect Labは、ローカル5Gの基地局(RU)や5Gコアの他に、5GやLTEの通信とさまざまな機器との間をつなぐ「5Gゲートウェイ」を備えている。また、プライベートLTEシステムの一つで、PSSJが2021年5月に発売したsXGP(shared eXtended Global Platform)システムも利用できるようになっている。2021年10月には、「WINDIO」ブランドのWi-Fi6対応のアクセスポイントも加わる予定だ。
また、エッジデバイスとしても、ローカル5Gを含めた5G通信に対応するノートPC「Let's note(レッツノート)」の新モデル「FV-1」や、さまざまな現場で広く用いられている頑丈フィールドモバイルの「TOUGHBOOK(タフブック)」などを用意している。
パナソニックとしては、Network Connect Labの開設を契機として、2021年度内に現場マルチネットワークサービスの共創パートナー企業を10社まで増やしたい考えだ。
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