自由なカスタマイズが可能、協働運搬ロボットの実証用モデルを販売開始:ロボット開発ニュース
Doogは、協働運搬ロボット「サウザーE」シリーズを「アプリケーション実証用モデル」として販売する。図面や通信プロトコルなど各種技術情報も提供し、搬送ロボットの迅速な開発や、本格導入に向けた円滑な実証検証をサポートする。
Doogは2021年5月11日、協働運搬ロボット「サウザーE」シリーズを「アプリケーション実証用モデル」として販売すると発表した。搬送ロボットの迅速な開発や、本格導入に向けた円滑な実証検証をサポートする。
サウザーは、750×600mmの荷台に最大120kgまでの貨物を積載できる協働運搬ロボットで、工場や倉庫など各現場に適したオプションを追加できるベースユニットとなっている。2020年10月の日本ロボット学会実用化技術賞、2021年3月のロボット大賞中小・ベンチャー企業賞を受賞し、学術分野や研究開発部門でも多くの実績がある。
基本機能として、直感的な手動操縦機能、人や物を追う自動追従機能、ライントレース機能、バーコードマーカーを使ったハイウェイ機能、ガイドレス自動走行のためのメモリトレース機能などを備える。
また、3cmの段差も乗り越えられる大きなタイヤや、外乱光に強いLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)を搭載。防水仕様IPX2に準拠しており、屋内外問わず走行できる。荷台はアルミフレームのため、サイズや形状のカスタマイズが容易だ。
実証用モデルでは、有線LANまたはWi-Fiを使用して、遠隔から基本機能の操作や走行の指示ができる。IO信号やLiDARデータも取得できる。
同社では、実証用モデルとともに図面や3Dモデル、電気的インタフェース、通信プロトコルなど各種技術情報も提供する。これにより、開発者は自由な発想で開発や運用ができる。なお、先行技術に関する情報提供を含むため、同社からの直販または直接サポートで対応する。
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