ストラタシスが産業向け製品ポートフォリオ強化、新たに3Dプリンタ3機種を発表:3Dプリンタニュース(2/3 ページ)
ストラタシス・ジャパンは、産業用途向け3Dプリンタの製品ポートフォリオを拡充し、新たにDLP方式を採用する光造形3Dプリンタ「Stratasys Origin One」、大型パーツ造形を低コストで実現するFDM方式3Dプリンタ「Stratasys F770」、量産向けSAFテクノロジーを搭載する粉末床溶融結合方式3Dプリンタ「Stratasys H350」の3機種を発表した。
大型試作ニーズに応えるFDM方式3Dプリンタ「F770」
F770は、試作(プロトタイピング)や治具、あるいは最終パーツの製造において、もっと手軽に大型パーツを造形したいというニーズに応えるFDM方式の3Dプリンタである。
大型パーツを作成する際の選択肢として、同社は産業向けハイエンド3Dプリンタ「Stratasys F900」を提供しているが、F770は主に“大型試作”の領域に対して、より手軽に、シンプルに、低コストでパーツ造形が行えるという。信頼性の面においても、F770は国内500台以上の導入実績を誇る「Stratasys F123シリーズ」をベースに開発されており、同シリーズで定評のある造形品質、操作性、メンテナンス性を踏襲する。
F770の最大造形サイズは1000×610×610mmで、積層ピッチは178/254/330μm。装置本体のサイズは1750×1240×1960mmで、重量は658kgである。3Dプリントソフトウェアは他のシリーズでも使用されている「GrabCAD Print」が利用可能だ。また、製造現場での利用を想定し、装置前面に緊急停止ボタンも備える。
使用可能な材料は、同社が提供するABS樹脂とASA樹脂のみで、可溶性サポート材の「SR-30」に対応する。F770では同社のハイエンド機種である「Stratasys Fortusシリーズ」やF900で利用可能な産業用グレードの材料は利用できないが、大型造形ニーズの大半がABS樹脂での出力であることから、手軽さとコストメリットを重視したF770を新たに投入することにしたという。
主なターゲット領域は、産業機械、自動車、白物家電、スポーツ、農業/建築設備、サービスビューローなどで、特に自動車分野における大型パーツのプロトタイピングでの利用に期待を寄せる。F770の受注開始は2021年5月10日で、出荷は同年6月10日から開始予定となる。
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