スーパーの棚チェック代替AIロボットに自律移動走行制御システムが採用:組み込み採用事例
村田機械の自律移動走行制御システム「It's Navi」が、日本ユニシスのAIロボットサービス「RASFOR」向け自律走行ロボットに採用された。狭い通路でも商品棚と一定距離を保って走行し、夜間閉店後の店舗内で棚チェック業務を代行できる。
村田機械は2021年2月15日、同社の自律移動走行制御システム「It's Navi(イッツナビ)」が、日本ユニシスのAI(人工知能)ロボットサービス「RASFOR」で使用する自律走行ロボットに採用されたと発表した。
It's Naviは、走行機能を持つロボットなどに、自律移動機能を付加できる自律移動走行制御システムだ。自動マッピング機能や自動経路生成機能、障害物回避機能、再ルート探索機能を備える。2013年より、制御システムとして販売している。
日本ユニシスのRASFORは、自律走行ロボットが夜間閉店後の無人スーパー店舗内で、カメラ画像とAIで自動撮影し、売り場のPOP期限、売価、品切れなどのチェック業務を代替するAIロボットサービス。ロボット本体のサイズは440×640×1860mm、重量は101kg。自律充電タイプで、5時間充電の後、3時間駆動する。2020年12月から提供を開始している。
今回、RASFORのロボットにIt's Naviを搭載するにあたり、機能を強化。スーパー店舗の狭い通路でも商品棚と一定距離を保って走行できるように、レーザーレンジファインダーやTOFカメラによるセンシングを改良して細かな姿勢制御を追加した。
また、走行地図の作成時間を短縮するため、地図作成ノウハウをマニュアル化し、簡単に地図変更と追加が可能な作成ツールを開発した。これらの機能により、より正確なAI解析と、店舗のレイアウト変更にもスムーズに対応できる。
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