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セキュアなIoT環境を簡単に構築、価格はエッジサーバ1台当たり年額2万円以下製造業IoT

製造業のIoT導入に向けたボトルネックの1つになっているのが、現場の技術者がITの専門家ではないことだろう。この課題を解決するのが、産業用PCなどのエッジサーバにIoTエージェントソフトウェアをインストールするだけでIoTを導入できる「TeamViewer IoT」だ。インストールから初期設定までの作業時間は約10分で、1エージェント当たり年間2万円が上限という低価格も魅力だ。

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 多くの製造業が、モノづくりを行う工場やプラント内の各設備から稼働データを収集することを目的としてIoT(モノのインターネット)の導入を検討している。IoTの導入によって、現在直面している「コロナ禍で海外出張ができずプラントの保守が滞っている」「個別工程単位には目標を達成できているが、生産ライン全体としてKPIを改善したい」「プラント保守で配管内の温度、圧力などを今すぐ知りたいが、電話で聞かないといけないので効率が悪いしミスもある」といった課題を解決できる期待があるからだ。しかし、そこで直面するのが、サーバやネットワーク、セキュリティなどIT領域に関する知識や経験の不足である。製造業の現場で働く人々は、OT(制御技術)の専門家ではあっても、ITの専門家ではないからだ。

TeamViewerジャパン IoTエバンジェリストの小宮崇博氏
TeamViewerジャパン IoTエバンジェリストの小宮崇博氏

 こうした悩みを抱える製造業に向けて、ITプロフェッショナルのいない現場でもIoTを手軽に導入できるサービスとしてTeamViewerが提供しているのが「TeamViewer IoT」である。TeamViewerジャパン IoTエバンジェリストの小宮崇博氏は「TeamViewer IoTは専用ネットワークや特殊な機器を必要とせず、ソフトウェアだけで環境が構築できます。従来のTeamViewer製品で実績のあるセキュアな通信方式を使用して安全性を担保するとともに、オープンな技術を採用しているため多くのセンサーやコントローラーと接続することができます。また、プログラムや連携インタフェースなどの開発を極力せずに済むので、すぐに利用を開始することができます」と語る。

 2005年にドイツで創業したTeamViewerは、さまざまな業種の現場で用いられているPC、モバイル、POSレジ、複合機のユーザーサポートをリモートで行える「TeamViewer」で実績を重ねてきたベンダーである。既に25億を超えるデバイスにインストールされるとともに、4500万台以上の端末が常時オンラインでTeamViewerを利用しており、ユーザー数は65万社以上となっている。

 そして、製造業などOTを中心とした現場でも「設備全体のモニタリングを簡単に行いたい」というニーズが高まる中、同社が掲げる「COT(Connected Operational Technology)の推進」というビジョンの下、「高いセキュリティ性と利便性を備えたTeamViewerが支援できることは大きいと考え、2018年からTeamViewer IoTの提供を開始しました」(小宮氏)という。日本法人であるTeamViewerジャパンが設立されたのもこれと同時期である。

TeamViewerは「COT」というビジョンを掲げている
TeamViewerは「COT」というビジョンを掲げている(クリックで拡大)

「TeamViewer IoT」の4つの特徴

 ITの専門家がいなくても容易に扱えるTeamViewer IoTは、工場やインフラ系設備、ビルなどさまざまな用途でIoTの導入を実現できる。ここからはTeamViewer IoTの4つの特徴を詳しく見てみよう。そこには次の4つのポイントがある。

 1つ目は、「TeamViewer IoTの専用サーバを別途用意する必要がない」ということだ。IoTセンサーとつながる産業用PCをはじめとするエッジサーバに、「TeamViewer IoT Agent」というエージェントソフトウェアをダウンロードしてインストールするだけで準備が整う。なお、TeamViewer IoT Agentには、エッジサーバからクラウドにデータを送信する際の通信を暗号化する「TeamViewer プロトコル」が含まれているため、VPN(仮想プライベートネットワーク)接続を構築する手間やコストをかけることなく同等のセキュリティを担保できる。

「TeamViewer IoT」はエッジサーバにエージェントソフトウェアを導入するだけでIoT環境を構築できる
「TeamViewer IoT」はエッジサーバにエージェントソフトウェアを導入するだけでIoT環境を構築できる(クリックで拡大)

 ただし、ここで言う「エッジサーバ」に相当するデバイスがないという現場もあるだろう。その場合には、デルやアドバンテック、Systec、Kunbus、IBH SoftecのTeamViewer IoT対応のエッジゲートウェイが役立つ。IBH Softecの製品は、あらかじめTeamViewer IoTを組み込んだ状態で出荷されている。

 加えてこれらのエッジゲートウェイは、イーサネット、Modbus、MQTT、OPC-UAといった通信プロトコルをサポートしており、製造業の主要なPLCやCNC、センサーと接続することができる。この環境下でTeamViewer IoT Agentを用いてポート転送し、遠隔からPLCのラダープログラミングを行うことも可能だ。

エッジゲートウェイを介して「TeamViewer IoT」と接続することもできる
エッジゲートウェイを介して「TeamViewer IoT」と接続することもできる(クリックで拡大)

 2つ目は、「リモートからのサポートおよび制御の実現」である。TeamViewer IoT Agentのコアとなっているリモートアシスタンス機能を活用することで、遠隔地にある生産ラインのPLCやCNCに対して、定期的なメンテナンスや、何らかの異常を検知した際に現地に赴いて確認しなければならなかった作業を省く。小宮氏は「同様の機能をオプションとして用意している他社サービスもありますが、TeamViewer IoTの場合は最初から標準機能として提供していることが強みです」と強調する。

 3つ目は、「多機能かつ操作性に優れたIoTクラウド管理コンソール」である。これによりWebブラウザ上から遠隔地のIoTデバイスの管理、確認を一元的に行うことができる。「その他にも、ルール管理やアラーム設定、通知設定、ダッシュボードのカスタマイズといった操作についても、同じコンソール画面からプログラミングレスで行えます」(小宮氏)。

「TeamViewer IoT」のIoTクラウド管理コンソール
「TeamViewer IoT」のIoTクラウド管理コンソール(クリックで拡大)

 4つ目は、「ワークフローのデジタル化による人間系支援」だ。TeamViewerが別途提供している「TeamViewer Frontline」と連携し、ウェアラブルデバイス上で各種センサーの情報をリアルタイムで確認可能にするとともに、あらかじめ設定されたワークフローに基づいて、位置情報や図面情報、デバイス情報、新しい設定値、変更方法指示、報告データ収集といった一連の作業を支援する。例えば、現場の作業者と遠隔地にいる熟練者がパイプを流れているガスの圧力値に関する情報を共有し、熟練者から「バルブの開き具合を25%から35%まで変更する」という具体的な指示を出すことができる。なお、TeamViewer Frontlineは、RealWear、Vuzix、EPSON、グーグル(Google Glass)といったベンダーの主要なウェアラブルデバイスに対応している。

「TeamViewer IoT」と「TeamViewer Frontline」の連携による人間系支援
「TeamViewer IoT」と「TeamViewer Frontline」の連携による人間系支援(クリックで拡大)

IoTソリューションにありがちな従量課金ではない

 これらの特徴を兼ね備えるTeamViewer IoTだが、実際にIoTの導入をどれくらい容易かつ短時間に行えるのだろうか。

 先述の1つ目の特徴で説明した通り、TeamViewer IoTはエッジサーバにTeamViewer IoT Agentをインストールするだけで準備が整う。小宮氏は「エージェントソフトウェアのインストールから初期設定までに要する時間は約10分ほどです」と目安を示す。現場に複数台あるであろうエッジサーバへの導入およびPLCや各種IoTセンサーとの接続を考慮しても、通常は1日もあれば全ての作業が完了するのではないだろうか。

 さらに、その後のランニングコストが明確に計算できるのもTeamViewer IoTならではのメリットだ。利用料金はエージェント単位での課金となっており、1エージェント当たり年間2万円を上限として導入数に合わせて単価が下がっていく仕組みになっている。「競合他社のサービスでは、例えばAPIコール数を単位として従量課金するためにコストが読みづらいものもありますが、TeamViewer IoTではそのような心配はありません」(小宮氏)という。

 こうしたTeamViewer IoTのメリットを高く評価し、既に多くの国内外の企業がこのサービスを活用している。代表的な事例をいくつか紹介しておこう。

 環境情報の配信や海洋版GIS、デジタル海底地形図といった海洋事業を手掛ける環境シミュレーション研究所は、漁船など船舶向けに提供しているGPSデータロガーの遠隔サポート用ネットワークとしてTeamViewer IoTを採用した。小宮氏は「船舶で用いるGPSデータロガーは、ネットワーク回線が狭帯域であり、基地局の切り替え時などに回線切断も頻繁に起こるためVPNによる接続が難しいのです。そこで、TeamViewer IoTでつなげることにより、船上の厳しい環境でもスムーズな遠隔サポートを実現できました」と述べる。

環境シミュレーション研究所における「TeamViewer IoT」の採用事例
環境シミュレーション研究所における「TeamViewer IoT」の採用事例(クリックで拡大)

 海外の採用事例としては、クリーンルームなどで使用する研究用機器を提供しているAnton Paarによる立ち入りが厳重に規制されている環境にある機器の遠隔制御や、太陽光発電向けインバータのグローバルサプライヤーであるDaasTechによるインバータ管理のためのリモートターミナル、NAS(Network Attached Storage)ベンダーのSynology NASによるNASのリモートアプリケーション制御などが挙げられる。また、ある自動車関連メーカーは、自動車のブレーキ固有振動数テストにTeamViewer IoTを採用することで、生産ラインにおけるテスト工程のIoT化を果たしたという。

見える化だけにとどまらず予防保全などの機能拡張も

 もっとも、製造業がIoTを導入する際には、「抱えているさまざまな課題に対して、そもそもどの装置や環境から、どんな種類のセンサーを使って、どのようなデータを収集し、それらのデータをどう活用して解決を図るのか」という根本となる構想設計が必要になる。

 TeamViewer IoTの機能は、現場のデバイスを簡単かつ低コストでセキュアにIoTとしてクラウドにつなげることに主眼が置かれており、そういったIoT構築のコンサルティングについてサポートしているわけではない。小宮氏は「ただし、商談の際には必ずといっていいほどコンサルティングに関する要望があります。今後のTeamViewer IoTのさらなる拡販と普及を進めていくためにも、お客さまの困りごと解決を一緒に進められるようなコンサルティングパートナーとの協業を拡大していく予定です」と語る。

 また、現時点でデータ収集に基づく見える化が中心になっているTeamViewer IoTの機能について、今後はAIやアナリティクスや、機械学習を活用した新機能やアプリケーションの拡張も進めていく計画だ。例えば、2020年9月に機械学習を活用した予防保全機能への対応を発表しており「まずはこれをしっかり実現していきます」(小宮氏)という。

 さらに、TeamViewer IoTとTeamViewer Frontlineを組み合わせたソリューションについても、現在のMQTTによる連携からより緊密なものにしていくという方針を打ち出している。こうした改善によって、TeamViewer IoTは製造業の多岐にわたる業務に活用の幅を広げていくことになりそうだ。


提供:TeamViewerジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2021年3月24日

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