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日系乗用車メーカーの自動車生産は各市場で回復、東南アジアは厳しさ続く自動車メーカー生産動向(2/3 ページ)

日系乗用車メーカー8社の2020年度上期(4〜9月)のグローバル生産実績は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を大きく受ける結果となった。

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前年同期比19.9%減に食い止めたホンダ

 4〜9月で最も落ち幅が少なかったのがホンダだ。ホンダの2020年度上期のグローバル生産は、前年同期比19.5%減の210万9786台と9年ぶりの前年割れとなった。国内生産は同25.1%減の33万2303台と5年ぶりのマイナス。国内市場向けは「フィット」や「N-WGN」の新型車効果があったものの、感染拡大による市場低迷で主力の「N-BOX」や「フリード」「ステップワゴン」「ヴェゼル」などが2桁減と落ち込んだ他、北米向け輸出も大幅減となった。海外生産も同18.3%減の177万7483台と2年連続のマイナス。主力市場の北米が同32.7%減と2年ぶりに減少した。一方、回復の早い中国は同21.3%増と9年連続のプラス。半期の生産台数としても過去最高を記録した。アジア全体では低迷したが、中国の好調に下支えされた結果、同2.7%減にとどまった。

 トヨタ同様にホンダも足元の回復傾向が鮮明で、9月単月のグローバル生産台数は前年同月比9.9%増の47万2696台と14カ月ぶりにプラスへ転じるとともに、9月として過去最高を更新した。海外生産が同11.2%増の40万5845台と2カ月ぶりに増加し、過去最高を記録した。その中でも中国が好調で、同33.9%増と4カ月連続で増加するとともに過去最高も更新。これを受けてアジアも同20.6%増と9月の過去最高を記録した。北米は同3.6%増と2カ月ぶりのプラスだった。国内生産もプラスへ転じ、同2.4%増の6万6851台と13カ月ぶりに増加。フィットやN-WGNが貢献した。

スズキはインドも回復中

 スズキも回復が進んでいる。9月の実績を見ると、グローバル生産台数は前年同月比19.1%増の29万3195台と2カ月連続で増加。9月の前年比としては8社の中で最も好調だった。このうち同社生産の半数を占めるインドでは、9月にCOVID-19の感染が急拡大したものの、祭事期に向けた特需などで新車市場が好調に推移したことで、同25.7%増と2カ月連続で伸長した。その結果、海外生産は同16.6%増の19万9445台と9カ月ぶりのプラスとなった。国内生産は同24.7%増の9万3750台。前年が完成検査問題で落ち込んでいたことに対する反動増や、「ハスラー」の新型車効果などに加えて、欧州向け輸出が同46.3%増と大きく回復した。

 2020年度上期のグローバル生産台数は、前年同期比34.1%減の96万3269台と2年連続の前年割れとなった。国内は同8.2%減の40万7893台と2年連続のマイナス。ただ、完成検査問題の反動増で8社の中では唯一の1桁減にとどまった。海外はインドのロックダウンなどが響き、同45.4%減の55万5376台と2年連続の減少となった。

スバルは海外生産が4カ月連続で増加

 スバルも急速に回復している。9月単月のグローバル生産は、前年同月比13.0%増の9万6231台と3カ月連続で前年を上回り、9月として過去最高を更新した。好調の要因が北米で、米国とカナダで9月販売として過去最高を記録。その結果、唯一の海外生産拠点である米国工場は「アウトバック」などの増加により同32.5%増の3万4771台と4カ月連続で増加するとともに9月の過去最高を更新した。北米向け輸出が好調な国内生産も同4.4%増の6万1460台と6カ月ぶりにプラスへ転じた。

 ただ、4〜9月ではCOVID-19感染拡大の影響を挽回するまでには至らなかった。2020年度上期のグローバル生産台数は、前年同期比28.9%減の35万3948台と2年ぶりに前年実績を下回った。国内は同32.2%減の22万876台で2年ぶりのマイナス。海外は同22.7%減の13万3072台と3年連続で減少した。米国工場はインディアナ州の外出禁止令により3月下旬から生産を停止し、5月まで大幅減となった。

マツダは9月で13カ月ぶりのプラスに

 マツダの2020年度上期のグローバル生産台数は、前年同期比34.2%減の47万7310台と3年連続の減少となった。グローバル生産の中心である国内生産は同45.8%減の27万2797台と2年ぶりのマイナス。新型車「CX-30」の純増があったものの、ロックダウンが実施された欧州向け輸出が6割以上減少した他、新型車効果の反動減などにより、「マツダ3」が同61.3%減、「CX-3」が同53.1%減、「CX-5」が同45.5%減など、主力車種が軒並み大幅減となった。海外生産は同7.9%減の20万4513台と3年連続のマイナスであったものの、マイナス幅は8社中最小で唯一1桁減にとどまった。市場回復の早い中国が同21.2%増と好調だった他、メキシコもCX-30の純増により同22.5%増と伸びた。一方でタイはCOVID-19の感染拡大による生産停止の影響が大きく同68.5%減だった。

 マツダも足元の生産は回復基調で推移しており、9月単月のグローバル生産台数は前年同月比1.0%増の12万6653台と13カ月ぶりにプラス転換した。国内生産は同1.7%減の8万3402台で12カ月連続のマイナスだが、減少幅は8月より17.6ポイント改善した。国内や欧州市場での販売は依然として低迷しているものの、米国で商品改良を実施したCX-5や「CX-9」などの販売が好調で、北米向け輸出が同89.9%増と急増した。海外生産は同6.7%増の4万3251台と3カ月ぶりに増加した。タイは生産調整により同54.0%減と厳しいものの、メキシコが米国向けの需要拡大で同104.9%増と倍増。中国も「CX-4」の増加などにより同5.9%増だった。

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