3D CADで設計の総仕上げ!! 動きや質感まで確認してみよう/そして、次のDIYへ:ステイホームでDIYを極める! 玄人志向なモノづくり(4)(2/4 ページ)
ステイホームで注目を集める「DIY」をテーマに、設計から製作までのプロセスを、実際の製造業におけるモノづくりの視点を交えながら解説することで、DIY素人の皆さんに“玄人のエッセンス”を伝授する。第4回は、前回に引き続き「Fusion 360」を使って設計を進め、総仕上げに入っていく。そして、後半は新たなDIYテーマの構想検討に着手する。
剛性ジョイントで固定する
コンポーネント化したカメラ固定台とスライドユニットを、[アセンブリ]メニューの[剛性ジョイント]で固定します。これにより、リニアシャフト、スライドユニット、カメラ固定台の3部品の間で、前述のスライダモーションと剛性モーションの2種類のジョイントが成立した状態になります。
カメラ固定台をマウスでドラッグして、シャフト固定台と接触する位置までスライドさせます。「カメラ固定台が端に寄ったときに、シャフト固定台と面一(ツライチ)になるように」という計画通りになっていることが確認できます。ちなみに、もしここで「やっぱり、リニアシャフト固定台はもう少し高くしようかな」と思ったら、履歴をさかのぼってモデルを修正すればOKです(必要であれば任意に調整してください)。
材料を設定して、完成イメージに近づけていく
構想段階で「この部品はこの材料で作ろう」というめどを立てましたね。だったら、せっかく3D CADで設計を作り込んでいるので、各部品の「材料プロパティ」を修正して、構想に合ったモデルに仕上げておきましょう。まずは、カメラ固定台から着手します。
ブラウザでカメラ固定台の[物理マテリアル]を開き、ライブラリから[アルミニウム 5052]を選んで、マテリアルのアイコンをドラッグ&ドロップでモデルに当てはめます。この「アルミニウム 5052(A5052)」という材料は、切削加工用アルミ合金として最も汎用(はんよう)的な材料なので、ぜひ覚えておいてください。
材料を指定すると、モデルの外観も変化します。
また、アルミニウムに“有色アルマイト”を施すとおしゃれな外観になります。そんなつもりで外観を調整してみると、このようなイメージになります(これは赤アルマイト)。
このように、他の部品についても物理マテリアルや外観を調整し、出来上がりのイメージを作っていきます。
さらに[レンダリング]を実行すると、よりリアルな質感を味わえます。
この段階に至ってもなお、「土台板の角を丸くしようかな」だとか、「シャフト固定台のアクリルの角は面取りしよう」だとか、果ては「やっぱり、もう少し可動ストロークを伸ばそうかな」など、いろいろテコ入れしたくなるかもしれません。そうしたら必要な修正をして、納得がいくまで設計を詰めればよいのです。そして、設計が完成したら次は「実践」ですよね。この続きは、ぜひ皆さんの手でチャレンジしてみてください。
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