ルネサスのArmマイコンがCortex-M33を搭載、セキュリティ機能も向上:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、同社のArmマイコン「RAファミリ」を拡充し、「RA6」シリーズに高度なセキュリティ機能を備えた「RA6M4」マイコングループ9種を追加し、量産を開始した。
ルネサス エレクトロニクスは2020年10月6日、同社のArmマイコン「RAファミリ」を拡充し、「RA6」シリーズに高度なセキュリティ機能を備えた「RA6M4」マイコングループ9種を追加し、量産を開始した。FAやビルオートメーション、メーター、ヘルスケア、家電など幅広いIoT(モノのインターネット)機器の開発が容易になる。RA6M4の投入でRAファミリのラインアップは42種となった。
RA6M4グループは、Arm v8-Mアーキテクチャの「Cortex-M33」コアを採用し、最大動作周波数は200MHz、最大1MBのフラッシュメモリ、256KBのSRAM(ECC付き64KBを含む)を搭載する。フラッシュメモリからCoreMarkを実行した際の消費電力は99μA/MHzだ。
DMA(Direct Memory Access)付きイーサネットコントローラーを搭載し、Quad SPIやOcta SPIなどのNORフラッシュをはじめ、USBやCANなどさまざまなインタフェースに対応する。外形寸法10mm角の64ピンLQFP、同14mm角の100ピンLQFP、同20mm角の144ピンLGAパッケージで提供する。
Arm TrustZoneテクノロジーとルネサスの「Secure Crypto Engine」を組み合わせることで、複数の対称および非対称暗号アクセラレーター、高度な鍵の管理、セキュリティライフサイクル管理、改ざん検知、高いサイドチャネル攻撃耐性などのセキュリティ機能を有する。
他のRAファミリと同様に、FreeRTOSを用いたソフトウェアパッケージ「FSP(Flexible Software Package)」や、パートナー企業の「RA Ready」ソリューションを使用すれば開発を容易に行える。
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