タニタがAWSで開発した、顔認証機能を搭載した立会人不要の飲酒検査システム:人工知能ニュース(1/2 ページ)
AWSは2020年9月8日〜30日、オンラインのユーザーイベント「AWS Summit Online」を開催中だ。その中で、タニタがAWSの画像認識サービス「Amazon Rekognition」を活用して開発した、クラウド機能搭載のアルコール検査システム「ALBLOクラウドサービス」を紹介した。その講演内容を紹介する。
アマゾン ウェブ サービス(AWS)は2020年9月8日〜30日、オンラインのユーザーイベント「AWS Summit Online」を開催している。その中で、タニタがアルコール検知器「ALBLO(アルブロ)」とAWSの画像認識サービス「Amazon Rekognition」を活用して開発した、クラウド機能搭載のアルコール検査システム「ALBLOクラウドサービス」を紹介した。本稿では、その講演内容を紹介する。
第三者の立ち会いが必要な飲酒検査
タニタは1999年にアルコール検知器の販売を開始して以来、2012年には燃料電池式検知器を発売するなど、継続的にアルコール検知器の事業展開に取り組んでいる。タニタ 生産戦略本部 量産設計センター 技術5課 課長の望月計氏は「アルコール検知器の売上高は2018年度時点で、5年前の2013年度と比べて3.5倍にまで成長を遂げている。これまでに250万台以上のアルコール検知器を販売しており、業務用途ではバス会社や航空運送会社をはじめ、国土交通省航空局や自衛隊、病院のアルコール依存症外来や精神科など、5000法人以上が導入している」と説明する。
また、望月氏によると、最近では航空会社などが飲酒した従業員による不適切な事案の発生を防ぐために、飲酒検査体制の整備や拡充に取り組む動きが強まっている。航空各社が加盟する定期航空協会では、業界共通の飲酒検査基準を設定した上で、航空機の整備従事者や運行管理従事者への検査実施を各社に義務付けている。
ただ、これらの検査基準には課題点もある。その1つが、検査時には検査対象である職種以外の第三者を立ち合わせるか、それと同等の中立性を保証できる仕組みを用意しなければならないと定めている点だ。第三者を立ち会わせると、人件費など航空会社が負担しなければならないコストが増加する恐れがある。
こうした課題を解決するために、タニタとアクティアが開発したのが「ALBLOクラウドサービス」だ。タニタのアルコール検知器「FC-1000」に接続したiPadからクラウドと通信して、顔認証機能による検査対象者の本人確認や、検査結果のデータ送信などを行う。顔認証機能を搭載することで、立会人不要のなりすまし対策システムを実現した。管理者はクラウド上でリアルタイムで結果を確認できるので、オペレーションコストの最適化にも寄与する。
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