約1000本の配管を60秒で自動ルーティング、大規模プラント向けCADシステム:CADニュース
PlantStreamは、大規模プラントを自動で設計するCADシステム「PlantStream」を発表した。約1000本の配管を60秒で自動ルーティングするなど、高速、高精度の設計が可能で、工期の圧縮やコストの低減に貢献する。
PlantStreamは2020年9月7日、大規模プラントを自動で設計するCADシステム「PlantStream(プラントストリーム)」を発表した。実現可能性調査(FS)から詳細設計まで全工程に対応し、プラント業界の設計ワークフローを大幅に効率化する。
熟練エンジニアのノウハウをアルゴリズム化
PlantStreamは、千代田化工建設とArentが設立したジョイントベンチャー企業。同名のCADシステムは、熟練エンジニアのノウハウをアルゴリズム化することで大規模プラントの自律設計を可能にした。約1000本の配管を60秒で自動ルーティングするなど、高速、高精度の設計ができる。
各種ユニットやパイプラックなどの要素をドラッグ&ドロップで配置して、3D表示で直感的に確認することが可能。そのため、事前調査や基本設計の前段階で、離隔距離や風向きを考慮したさまざまなケースを妥協することなく検討できるという。
約1000本の配管を60秒で自動ルーティングできるだけでなく、パイプラック内の並び順や段数割、流体やつながり先に応じた並びなどを、現場のニーズに合わせて仕上げられる。特に機器周りの配管設計は、施工性や操作性、保守、安全面など多くの配慮が必要になるが、機器やその周辺配管レイアウトのひな型が搭載されているので、要求に沿ってパラメーターを調整するだけで、直感的に3Dモデルが編集できる。
PlantStreamの導入効果としては、プラントの基本設計業務のうち空間設計にかかる工数の80%程度を削減し、従来の約5倍の速度で3Dモデル作成が可能になる。また、配置計画が3次元でできるので、事前に詳細な検討ができ、見積もり精度も大幅に向上する。工期の圧縮やコストの低減、作業負荷の軽減も可能となり、労働環境の改善につながる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3次元CAD/CAMシステムの日本語最新版を提供開始
ゼネテックは、3次元CAD/CAMシステムの日本語最新版「Mastercam 2021」の提供を開始した。CADモジュール「Design」を強化し、3次元モデルの作成や修正に関する新機能を搭載している。 - 3D即時見積もりサービスと連携、無料3D CADの最新版をリリース
アールエスコンポーネンツは、無料3D CADソフトの最新版「DesignSpark Mechanical Ver.5」を発表した。カブクの3D即時見積もりサービス「Kabuku Connect」と連携し、CAD上の3Dデータの製造コストを即座に見積もりできる機能を搭載する。 - 設計機能を強化したCADソフトウェアの最新版を発表
Siemens Digital Industries Softwareは、設計機能を強化したCADソフトウェア「Solid Edge 2021」を発表した。サブディビジョンモデリング、リバースエンジニアリングパフォーマンス、差異分析などを強化し、事前設計段階の時間を節約できる。 - 3D CADデータから重複部品を顕在化し、削減可能コストを算出するサービスを提供
スマートスケープは、3D CADデータから、重複部品のデータ整理と削減可能なコストを自動で算出する「重複部品アセスメントサービス」を発売した。類似形状検索によりデータベースを整理するほか、コスト削減金額の算出もできる。 - AIがコンセプト設計におけるスケッチ作業を支援、「NX Sketch」を発表
Siemens Digital Industries Softwareは、ハイエンド3D CAD「NX」環境において、コンセプト設計におけるスケッチ作業を支援する新ソリューション「NX Sketch」を発表した。 - データを渡さずに3D CADデータを共有するソリューションの提供を開始
スマートスケープは、マルチCADオンライン情報共有ソリューション「Kisters 3DViewStation VisShare」の提供を開始した。データを渡さずに、高セキュリティな3D CADデータの共有ができる。