FreeCADの2D製図機能はどこまで頑張れるのか!?:無償3D CAD「FreeCAD」を使ってみよう(4)(2/5 ページ)
オープンソースの3D CAD「FreeCAD」をご存じだろうか。無償でありながら、3Dモデリング、メッシュデザイン、製図(ドラフト)、有限要素法解析(FEM)、レイトレーシング、ロボティクス機能など、標準機能がとにかく充実している。本連載では「FreeCAD 0.18」を用いて各機能の実際の操作や使用感を紹介していく。連載第4回では「2D製図」をテーマに、「Draft」と「TechDraw」による作図手順を解説する。
「Draft」で長方形を作図してみる
長方形の作図は「Sketch」と似ているが、数値指定がコンボビューからは行えない。コンボビューに座標値は出てくるものの、そこに数値を入力して固定することができない。
グリッドの交点近辺に注意深くマウスカーソルを運んでみると、「井(いげた)」のような青いマークが現れる。そこに合わせて長方形の始点を指定し、適当な大きさで作図する。
画面に長方形の線が表示されるとともに、コンボビューの「モデル」ウィンドウに「Rectangle」が要素として加わっている。さらにそこへ、寸法コマンドで寸法を記入してみる。
しかし、寸法記入も数値入力して制御できるわけでなく、水平垂直の寸法記入は点同士でしか行えない。
しかも、一度付けた寸法は、数字どころか位置も変更できない。画面左の「モデル」ウィンドウには「Dimension」の要素が加わっており、そこをダブルクリックすると編集画面と思しきダイアログが表示されるのだが、そこでも何も修正できない……。
画面上部にある各作図コマンドを使い、グリッド線を使って何となく寸法を制御して、いろいろと作図することはできる。Bスプラインも作図可能だ。
えっ、2D作図が苦手だと!?
ざっと操作した感じ、Draftについては、寸法制御をしながらの作図は少々厳しい印象だ……。FreeCADのWikiにあるチュートリアルをのぞいてみると、DXFファイルを読み込んでの作図がメインで解説されている。ちなみに、DWGやMCGファイルを読み込むとエラーになるので注意が必要だ。
「FreeCADは、3Dモデリングのカーネルで作られている」ということがWikiの中で記述されているのだが、暗に「2D作図が苦手」といっているようにも感じる……。
以上、Draftの作図はいったん終わりにして、もう1つのワークベンチTechDrawについて見ていこう。
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