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2019年度の新車生産はホンダ日産スズキが2桁減、新型コロナ響く自動車メーカー生産動向(1/3 ページ)

日系乗用車メーカー8社の2019年度(2019年4月〜2020年3月)のグローバル生産実績は、ダイハツ工業とSUBARU(スバル)の2社が前年度実績を上回ったものの、2桁減が相次ぐなど厳しい結果となった。市場規模の大きな北米や東南アジアなどが低迷したほか、中国も年明け以降は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により失速した。

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 日系乗用車メーカー8社の2019年度(2019年4月〜2020年3月)のグローバル生産実績は、ダイハツ工業とSUBARU(スバル)の2社が前年度実績を上回ったものの、2桁減が相次ぐなど厳しい結果となった。市場規模の大きな北米や東南アジアなどが低迷したほか、中国も年明け以降は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により失速した。国内生産も2019年10月の消費増税以降の伸び悩みにより、8社合計ではマイナスとなった。

 足元では新型コロナウイルス感染症の影響が世界的に広がりを見せており、3月単月のグローバル生産は8社全てが前年割れとなった。4月に入っても依然として新型コロナウイルス感染症による新車需要へのインパクトは収束の気配を見せておらず、2020年度も当面は厳しい状況が続きそうだ。

2020年3月と2019年度の生産実績
2020年3月 2019年度(2019年4月〜2020年3月)
国内 海外 (うち米国) (うち中国) 合計 国内 海外 (うち米国) (うち中国) 合計
トヨタ 279,065 361,908 71,482 90,892 640,973 3,303,688 5,437,010 1,163,724 1,311,208 8,740,698
▲ 13.2 ▲ 25.5 ▲ 26.2 ▲ 21.6 ▲ 20.6 2.8 ▲ 5.0 ▲ 3.8 ▲ 2.9 ▲ 2.2
ホンダ 72,696 202,692 69,937 44,103 275,388 807,991 3,965,536 1,153,046 1,370,459 4,773,527
▲ 9.7 ▲ 49.2 ▲ 35.0 ▲ 69.4 ▲ 42.6 ▲ 11.4 ▲ 10.4 ▲ 5.9 ▲ 8.5 ▲ 10.6
日産 55,233 206,742 36,082 57,147 261,975 757,692 3,824,382 694,305 1,378,642 4,582,074
▲ 28.9 ▲ 44.0 ▲ 47.4 ▲ 59.4 ▲ 41.4 ▲ 15.9 ▲ 14.3 ▲ 15.4 ▲ 11.4 ▲ 14.5
スズキ 91,435 121,724 - - 213,159 944,172 2,022,227 - - 2,966,399
1.3 ▲ 34.5 - - ▲ 22.8 ▲ 6.6 ▲ 15.2 - - ▲ 12.6
ダイハツ 90,493 55,498 - - 145,991 966,984 743,638 - - 1,710,622
9.1 ▲ 19.8 - - ▲ 4.0 3.9 ▲ 3.8 - - 0.4
マツダ 74,229 38,159 - 16,343 112,388 971,974 462,230 - 214,424 1,434,204
▲ 17.6 ▲ 24.8 - ▲ 20.2 ▲ 3.8 ▲ 17.4 - ▲ 8.6
三菱 66,307 57,927 - 1,600 124,234 620,676 716,723 - 105,502 1,337,399
14.3 ▲ 19.0 - ▲ 89.0 ▲ 4.1 ▲ 6.1 ▲ 8.2 - ▲ 22.2 ▲ 7.2
スバル 61,888 27,588 - - 89,476 663,617 367,295 - - 1,030,912
9.4 ▲ 16.9 - - ▲ 0.3 7.6 ▲ 1.3 - - 4.2
合計 791,346 1,072,238 - - 1,863,584 9,036,794 17,539,041 - - 26,575,835
※上段は台数、下段は前年比。単位:台、%

 2019年度の世界生産台数を分析すると、8社中6社が前年割れと、自動車市場が世界的に厳しい状況だったことが分かる。中でもホンダ、日産自動車、スズキの3社は2桁減と大きく台数を落とした。スズキはインドでの市場低迷、ホンダと日産は北米での減少に加えて中国での新型コロナウイルス感染症の影響もマイナス要因となった。プラスを確保したダイハツとスバルは共に海外生産は減少したものの国内での増産が下支えした格好だ。

 3月単月は、2月以上に新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化した。中国については一部メーカーで減少幅が縮小するなど落ち着きを取り戻しつつある。ただ、欧州や北米などに感染が広がり、相次いで生産停止に追い込まれた結果、海外生産は8社全てがマイナスとなり、グローバル生産の減少幅も2月以上に拡大した。国内生産拠点も、中国やアジアからの部品供給が滞るなどサプライチェーンの影響により生産停止に追い込まれるケースも発生した。

 さらに足元では世界的な新車需要の急減により生産調整を余儀なくされるなど低水準の操業が続いており、4月は一層の悪化も予想される。

トヨタ自動車、3月はグローバル生産が2割減

 メーカー別に見ると、トヨタ自動車の2019年度グローバル生産台数は874万698台で、前年度比2.2%減と2年ぶりに前年実績を下回った。国内生産は同2.8%増の330万3688台と4年連続のプラス。国内向けが堅調に推移したほか、新型「RAV4」や北米向け「カローラ」などがけん引した。

 一方、海外生産は同5.0%減の543万7010台と3年連続のマイナスとなった。地域別では、主力の北米が同2.7%減の182万3693台と3年連続の減少。RAV4などの販売は好調だったものの、新型コロナウイルス感染症により生産停止に追い込まれるなど年度末に急ブレーキがかかった。

 アジアでは同6.1%減の243万5464台と2年ぶりに減少した。生産台数の多いタイがバーツ高や景気低迷により同12.5%減と大きく落とした。インドも同37.1%減と市場縮小が続いている。新型コロナウイルス感染症の影響が大きい中国は、年始まで新型車効果などで販売が好調に推移していた結果、年度トータルでも同2.9%減とわずかなマイナスにとどまった。

 欧州も新型コロナウイルス感染症による生産停止があったものの、カローラシリーズなど新型車の効果により同1.0%減と微減だった。中南米はアルゼンチンの通貨下落など市場が低迷し、同17.0%減と振るわなかった。

 トヨタの3月単月は、グローバル生産が前年同月比20.6%減の64万973台と大幅に減少し、3カ月連続の前年割れだった。国内生産は同13.2%減の27万9065台と6カ月連続のマイナス。海外生産はさらに大きく落ち込み、同25.5%減の36万1908台と3カ月連続で減少した。地域別では北米が同24.2%減。アジアは同21.2%減で、このうち中国は同21.6%減、タイは同33.3%減だった。欧州は同38.1%減、中南米は同35.3%減と大きく減らした。

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