インテルが5G基地局向けにAtomプロセッサを開発、ストラクチャードASICも投入:組み込み開発ニュース(1/2 ページ)
インテルは5Gインフラ向けの新製品ポートフォリオを発表した。5G無線基地局向けのSoC「Intel Atom P5900 プロセッサ」など全4種類を発売する。
インテルは2020年3月17日、オンライン会見を開き、同年2月29日に発表した5G無線基地局向けのSoC(システム オン チップ)「Intel Atom P5900 プロセッサ」(以下、Atom P5900)をはじめ、5Gインフラストラクチャ向けの新製品について説明した。
新製品はAtom P5900の他、データセンター向けプロセッサ「第2世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサ」、ストラクチャードASICの「Diamond Mesa(開発コード名)」、5G対応のNIC(ネットワークインタフェースカード)「インテル イーサネット 700シリーズ・ネットワーク・アダプター」の4種類をラインアップした。
負荷分散技術搭載のSoCと、深層学習の推論処理を高速化する新プロセッサ
Atom P5900は、5G基地局で新たに求められる高帯域幅や低遅延化に対応することを目指して設計された10nmベースのSoCだ。サーバの負荷分散処理を行う技術「インテル ダイナミック ロード・バランサー」によって、パケット処理のスループットを従来比最大3.7倍に、また演算負荷が大きな処理を高速化する「インテル QuickAssist テクノロジー」によって暗号化スループットを最大5.6倍に高めた。Intel Atom プロセッサと比較すると、整数スループットも最大1.8倍にまで向上した。
インテル 執行役員常務 技術本部 本部長の土岐英明氏は「既にAtom P5900を導入した企業からは好評価をもらっている。当初は2022年までに5G基地局向けで40%のシェアを取りたいと考えていたが、反応の良さを鑑みると2021年までに達成可能だろう」と手応えを感じていると語った。
第2世代Xeon スケーラブル・プロセッサは2017年にインテルが発売した「Xeon スケーラブル・プロセッサ」の後継製品だ。前世代と比較するとコア数、スレッド数、キャッシュ容量が全て向上した上、処理能力も36%上昇した。基本動作周波数は最大3.9GHzで、ターボブースト時は最大4.5GHzに達する。
またAI(人工知能)によるリアルタイム推論を実現する「インテル ディープラーニング・ブースト」を搭載したことで、競合のCPUプラットフォームと比較してディープラーニング(深層学習)の推論速度が最大6倍向上したという。こうした性能面での特徴について、土岐氏は「史上最速の『Xeon』が完成した」と自信を見せた。
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