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変種変量生産で効率50%向上、“世界的先進工場”は何を行っているのかスマートファクトリー最前線(1/6 ページ)

2020年1月にWEFによる「第4次産業革命を主導する世界的先進工場(ライトハウス)」に選ばれた日立製作所の大みか事業所。世界の中でも先進的な取り組みを進めるスマートファクトリーとして評価された工場となったわけだが、具体的にはどういう取り組みを行っているのだろうか。同工場の取り組みを紹介する。

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 ダボス会議を実施している世界経済フォーラム(WEF)は、「第4次産業革命をリードする先進的な工場」を「Lighthouse(ライトハウス、灯台)」として2018年から選出するようになった。従来は「ライトハウス」に選ばれていた日本企業はなかったが、2020年1月に日本企業による国内工場として初めて選出されたのが「日立製作所 大みか事業所」である(※)

(※)関連記事:世界で最も先進的な工場として日本から初認定、日立大みか事業所など3工場

 「ライトハウス」は先進的な取り組みをグローバルで共有し、スマート工場をパイロットフェーズからさらに進めることを狙いとして設立されたものだ。2020年1月時点で選ばれた工場は44工場となっている。ここに選ばれた“世界でも先進的だ“とされるスマート工場では、実際にどのような取り組みが行われているのだろうか。日立製作所 大みか事業所(以下、大みか事業所)による、スマート工場化や製造現場革新の取り組みを紹介する。

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日立製作所 大みか事業所の外観(クリックで拡大)

「総合システム工場」を目指す大みか事業所の役割

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日立製作所 大みか事業所の空撮写真(クリックで拡大)出典:日立製作所

 大みか事業所は、旧日立工場の制御盤部門と旧国分工場の配電盤部門が集結し1969年に設立された。敷地面積は約20万m2で、従業員数は約4000人である。鉄道や鉄鋼、発電所などの社会インフラを中心とした情報制御システムの製造と運用保守を行っている。

 同工場が目指しているのが「世界に冠たる総合システム工場」であるということだ。社会インフラを支える情報制御システムには「一品モノのカスタム仕様」「24時間365日止まらない」「安全性や信頼性の確保」「時代に合わせた機能刷新」「長期稼働保証」などが求められる。これらへの顧客のニーズを満たしていくためには、単純にモノを作って提供するというだけでは難しい。基本的には以下の流れをカバーする総合力が求められる。

  1. 社会課題や顧客課題を顧客と一緒にすり合わせる
  2. これらを基に、基本となるシステムのアーキテクチャやミドルウェアを開発
  3. システムに必要となる制御機器の設計を行う
  4. アプリケーション開発や制御機器の製造を行う
  5. これらをシステム化する
  6. システムが求められたパフォーマンスを発揮できるかどうかを試運転し運用開始まで導く
  7. 導入後、保守やセキュリティ確保のため継続的関係性を構築する

 日立製作所 サービス&プラットフォームビジネスユニット 制御プラットフォーム統括本部 大みか事業所長の花見英樹氏は「顧客とパートナーとして継続的な関係を築き、技術革新を進めていく取り組みを進めている点が大みか事業所の特徴だ。一方でソリューションだけではなく実際に課題解決につながるモノづくりも同時に行う。現場の機械設備や制御システム、ITシステムなどを組み合わせて1つのシステムに構築するという一連の流れを全て事業所内で完結できる点が特徴だ。全体を一貫した体制で構築することが強みとなっている」と語っている。

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大みか事業所の生産体制(クリックで拡大)出典:日立製作所
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