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FRという個性を捨てて、BMW「1シリーズ」は生き残れるのか車・バイク大好きものづくりコンサルタントの試乗レポート(2/4 ページ)

ついにこの時が来てしまった。BMW「1シリーズ」のFF(前輪駆動)化だ。は後輪駆動にこだわりを持っていて、2003年式のSUBARU「レガシィB4」を最後に、メインのクルマは常にFRだ。新型1シリーズ(以下型式名のF40)への第一印象はネガティブだ。でも乗ってみなければ語れない。

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運転席に座った時点でマイナスポイント

 さて、運転席に乗り込んでみた。オドメーターの数字は250km、まさに新車だ。運転席周り、特にコンソールがF20より格段に豪華になっている。1シリーズだけでなく、「3シリーズ」や「5シリーズ」とも共通のイメージで、そこにはヒエラルキーは存在しない。ただ、すぐに気になったのはメーターパネルだ。

 フル液晶はいいのだが、なぜスピードメーターとタコメーターの指針の回り方が逆なのだ? これは新型3シリーズや「Z4」と同デザインだが、クルマ好きとしてはタコメーターとスピードメーターは反時計回りで、追いかけっこをしなければならない。BMWとは思えないデザインで、私には受け入れられない(写真4)。

 次にステアリングホイールのグリップの太さだ。先々代の3シリーズ(E90)まで多くのモータージャーナリストからも指摘されていたが、太過ぎるのだ。しかし先代5シリーズ(F10)あたりから細くなり、実に握りやすくなった。それがまた元に戻ってしまった。運転席に座った時点でマイナスポイントだ。


写真4:フル液晶メーターと太くなったステアリングホイール(クリックして拡大)

走り始めて

 コンソール上に移設されたエンジンスタート/ストップスイッチを押し、M135iのエンジンに火を入れる。素晴らしいエキゾーストノートが吐き出されるが、決して近所迷惑なレベルではない。「M2」や「M3」だと早朝にエンジンをかけるのをためらってしまうが。

 電動パーキングブレーキ(実は私はこれも嫌いで、レバー式が最もいい)を解除し、セレクターをDレンジにセットし走り出す。走行モードはComfort、普通にアクセルペダルを踏んでいくと1500rpmを超えたあたりでポンポンとシフトアップしていくが、シフトショックは全くない。

 BMWが多用している完璧と言ってよいほどの変速性能を持つZF製の8速ATに対し、F40はアイシン製8速ATと報じられている。時速15〜20km程度の低速で走行しているときに若干のぎくしゃく感を覚えたので、「あれ? ツインクラッチかな?」と思ったくらいだ。8速ATの出来にはまだまだZFにアドバンテージがありそうだが、M135iはx-Drive(AWD)なので、前後駆動配分やLSD(リミテッドスリップデフ)の影響があるかもしれない。

 ボディー剛性はかなり向上した。感覚的にはF20の25%増しだ。足回りも良く動き、突き上げ感も少なく、225/40 R18のタイヤを十分に履きこなしている。しかし、著名なモータージャーナリストに「BMWのサスには神が宿る」と言わしめ、旧3シリーズより明らかに乗り心地がよいF20の足回りをしのぐものではない。

 また、BMWのM-Sportグレードは当然のように前後異サイズのタイヤが装着され、それが後輪駆動のスポーツグレードの証だった(私の愛車118d M-Sportは前225/40R18、後245/35R18)。しかし、FFとなれば後輪を太くするわけにはいかない。タイヤは太ければ良いというものではないが、やはりカッコいいものはカッコイイし、F20のほうが足がしなやかなのだから言うことなしだ。ただし、F20は発売から8年もたち、まるで古酒のように熟成されている。それに対してF40は出来立ての新酒、そこは差し引かなければならないだろう。

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