エッジリッチを描く東芝、OTとITを統合する新製品やSCiB小型モデルを披露:IIFES2019(2/3 ページ)
東芝グループは、「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)に出展し、産業用コントローラーやIoT(モノのインターネット)対応インバーター、リチウムイオン二次電池「SCiB」を容易に扱えるBMU(バッテリーマネージメントユニット)新製品などを紹介した。
用途ごとの専用機能を搭載したインバーター、IoT機能も充実
東芝産業機器システムは、2019年10月に発売した高機能インバーター「VF-AS3J」を紹介した。製品ラインアップは三相200Vクラスが最大適用モーター容量0.4k〜75kW(重負荷定格)、三相400Vクラスが0.75k〜110kW(同)。ポンプやファン、コンプレッサー、昇降装置などインバーターを用いる各種機械の専用機能を備える他、IoT対応により接続機器の遠隔監視機能を提供する。
同社展示ブースでは、VF-AS3Jのさまざまな専用機能が実機デモで紹介されていた。ポンプ専用機能として1台のインバーターで最大10台までのポンプモーターを制御するマルチポンプ機能、ファン専用機能としてRTC(リアルタイムクロック)によって機器の稼働、停止を日時指定できるカレンダー機能や異常発生時に異常内容と発生時刻が保存されるタイムスタンプ機能、軽故障時であっても運転を継続するファイアコントロール機能などがある。
コンプレッサー専用の機能ではコントローラーなしで圧力一定制御が行えるPID制御、昇降機械向け機能としてブレーキ遅れ時間を自動調整するティーチング機能などがある。
同製品ではEtherNet/IPやCC-Linkなど豊富な通信オプションが設定されており、市販のルーターやゲートウェイと組み合わせることで、LANや無線ネットワーク、インターネットに接続できる。これにより、遠隔地からインバーターのモニタリングやパラメーター設定、インバーターに接続されたセンサーの監視が可能だ。また、通信オプション内蔵のWebサーバ機能によって、ブラウザからグラフィカルに情報を読み取ることができる。
メンテナンス性を高める工夫もこらした。本体にUSB Type-Cコネクターを備えており、市販ケーブルでPCと直接接続することで各種設定が行える。また、オプションのLCD操作パネルではQRコード表示機能を搭載。操作に迷った場合や故障が疑われる場合など、場面に応じて表示されるQRコードをスマートフォンなどで読み取ることで、その場面に最も適した取り扱い説明や動画解説がすぐに確認できる。
故障予知診断機能も有しており、主回路コンデンサーの放電特性やIGBT素子の温度履歴、リレー回路の開閉回数などを本体メモリに保存する。これらデータを解析することで保守時期の予測が可能になるという。
従来機種「VF-AS1」と取り付けサイズや制御端子台の端子形状などに互換性を持たせており、設定パラメータも専用ツールで簡単に変換できるようにした。既存製品からの置き換えも容易としている。
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