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データムを必要とする幾何公差【その3】〜姿勢公差の傾斜度〜産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(10)(2/4 ページ)

機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第10回はデータムを必要とする幾何公差をテーマに、姿勢公差の傾斜度について取り上げる。

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1−3−2.直線形体のデータム平面に対する傾斜度

  • 公差域の定義(JIS原文、以下同様)
     直線形体のデータム平面に対する傾斜度は、直線形体(L)の両端を含みデータム平面(PD)に垂直な幾何学的平面(PA)に垂直で、データム平面(PD)に対して理論的に正確な角度(α)をなす幾何学的平行2平面で直線形体(L)を挟んだときの、2平面の間隔(f)で表す。
図3 直線形体のデータム平面に対する傾斜度
図3 直線形体のデータム平面に対する傾斜度

1−3−3.平面形体のデータム直線またはデータム平面に対する傾斜度

  • 公差域の定義(JIS原文、以下同様)
     平面形体のデータム直線またはデータム平面に対する傾斜度は、データム直線(LD)またはデータム平面(PD)に対して理論的に正確な角度(α)をなす幾何学的平行2平面で平面形体(P)を挟んだとき、平行2平面の間隔が最小となる場合の2平面の間隔(f)で表す。
図4 平面形体のデータム直線に対する傾斜度
図4 平面形体のデータム直線に対する傾斜度
図5 平面形体のデータム平面に対する傾斜度
図5 平面形体のデータム平面に対する傾斜度

 以下に傾斜度の使用例を示します(図6)。

図6 傾斜度の適用例
図6 傾斜度の適用例

 データム平面に対して30度となる面は、データム平面に対し、理論的に正しい30度をなす平行2平面の距離0.5mmの領域に入っていることを表します。

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