就職/転職したばかりなのに辞めたくなったら:モノづくり業界転職トレンド(13)(1/2 ページ)
厚生労働省のデータを見ると就職・転職後に短期間で辞める人は意外と少なくない。入社してすぐに転職したくなったらどう考えればいいのか、そうならないために事前にできることはあるのか。転職コンサルタントに話を聞いた。
厚生労働省の最新データによると、年間で離職した人のうち、約3割は入社後1年以内、そのうち約3分の2は半年以内に離職しているという。この数字には非正規雇用も含まれているものの、就職・転職後、短期間で辞める人は意外と少なくないのだ。では、入社してすぐに転職したくなったら、どう考えればいいのか、そうならないために事前にできることはあるのか、自動車業界専門転職サイト「オートモーティブ・ジョブズ」を展開するクイックの人材紹介事業本部 自動車チーム マネージャー 関寺庸平氏に聞いてみた。
短期間で離職することにメリットはない
そもそも、なぜ離職するのか。理由は、20歳代と30歳代以降で異なるという。
30歳代以降で比較的多いのは、子育てや介護など、家族や家庭の事情が理由で「離職・転職しなければならない」状況になり、リスクも承知の上で転職を考えている人だ。あるいは「一定の仕事をやり切った」、「経験やスキルを踏まえて新しいことをしたい」など、次のステップを考えている人もいる。
20歳代でもやむを得ない事情のこともあるが、特に就職・転職から半年程度で離職・転職を考えている人に多い理由は「イメージと違った」、「希望の部署に配属されなかった」など、理想と現実とのアンマッチである。仕事をすることや、転職することに対して、ライトな感覚を持っている傾向もあるようだ。
半年程度で離職すると、どういうメリット、デメリットがあるのか。「メリットは誰にもない。やむを得ない理由であったとしても、プラスになることはない」と関寺氏はいう。
一方最大のデメリットは、「半年で辞めた」ということが履歴上に残ることだ。どういう理由であれ、採用を検討する立場である人事には「すぐに辞める人、短期的に物事を判断する人」と見えてしまう。また転職する際には「なぜその会社を選んだのか、なぜすぐ辞めたのか」という理由を必ず聞かれる。仮にウソの理由を考えたとしても、本質的な部分で隠し通すことは難しいし、見抜かれると思っていた方がいい。
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