「ないから作った」、OKIが発売する20万円以下のAIエッジコンピュータ:エッジコンピューティング(1/2 ページ)
OKIはAIエッジコンピューティング事業戦略と、その戦略製品となるAIエッジコンピュータ「AE2100」を発表した。長年の社会インフラ領域での端末開発の実績を生かし、高信頼性を持ちながら高いコストパフォーマンスを維持する端末を提供し、第4次産業革命を推進していく方針だ。
沖電気工業(OKI)は2019年10月3日、同社の強みを生かしたAI(人工知能)エッジコンピューティング事業戦略と、その戦略製品となるAIエッジコンピュータ「AE2100」を発表した。長年の社会インフラ領域での端末開発の実績を生かし、高信頼性を保ちながら高いコストパフォーマンスを維持する端末を提供し、第4次産業革命を推進していく方針である。
OKIが描くAIエッジコンピューティング戦略
IoT(モノのインターネット)が普及し、データを基軸とした変革が進む第4次産業革命の動きが加速している。こうした中でOKIでは、エッジ領域に勝機を見いだし、強化に取り組む方針だ。
OKI 代表取締役社長 執行役員 鎌上信也氏は「OKIはモノづくりを基盤として技術の会社として100年以上前から今のエッジデバイスに近い製品を開発し提供してきた。これらで蓄積してきた技術やノウハウを基盤とし、社会課題に取り組むためにAIエッジコンピューティング戦略を立てた。IoTの課題解決にはエッジ領域の強化が欠かせない。その領域に取り組む」と語っている。
IoTでは従来クラウドコンピューティングが重視されてきたが「リアルタイム性」や「ネットワーク負荷の軽減」「セキュリティ要求の増大」など、クラウドコンピューティングだけでは満たされないニーズが増えてきた。これらに応えるために重要視されるようになってきたのが、データをクラウドに上げずに発生源に近いところに処理するエッジコンピューティングの考え方である。
OKIではIoTを推進する中で「センシング・デバイス」「ネットワーク」「データ処理・運用」の3層で考え、これらを産業特化した形でソリューションコンセプトとし、取り組みを推進している。
しかし「いざエッジコンピューティングを活用しようと考えても適したコンピュータがなかった。エッジコンピュータとしてさまざまな産業で活用していくためには、リーズナブルな価格の一方で、ディープラーニングの推論エンジンを使うことができ、製品品質の信頼性が高く、耐環境性能を備えるなどの条件がある。そこでこれらを満たす端末を開発した」とOKI 取締役常務執行役員 情報通信事業本部長 坪井正志氏は述べている。
新製品はインテルとマイクロソフトとの協業により実現。インテルのAIアクセラレータ機能搭載の「Movidius Myriad X VPU」を搭載する他、マイクロソフトの「Azure IoT Edge」認証を取得し、シームレスなクラウドとの連携を実現する。
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