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CIPではどのようにして長期サポートを実現するのかいまさら聞けないCIP入門(中編)(2/4 ページ)

CIP(Civil Infrastructure Platform)は、Linux FoundationのOSSプロジェクトであり、その目的の1つは産業グレード機器に対して長期的なサポートを達成することです。「いまさら聞けないCIP入門」の中編では、CIPが目指す長期サポートをどのように実現しようとしているかについて説明します。

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2.CIP SLTSカーネル開発・保守

 CIPカーネルチームは、CIP SLTSカーネルツリーを管理するメンテナーと、開発者で構成されています(図4)。メンテナーにはコミュニティーで広く活躍する岩松信洋氏とPavel Machek氏がアサインされています。

図4
図4 CIPカーネルチームの活動(クリックで拡大) 出典:Open Source Summit Europe 2018での小林良岳氏、Urs Gleim氏講演「Two Years Experience of Industrial-grade Open Source Base Layer Development and its Future」に基づき作成

 CIPカーネル開発者はCIPメンバー企業から参加しています。新規機能はメインラインに、バグフィックスなどはメインラインおよびLTSにそれぞれ貢献します。また、新規機能をCIP SLTSカーネルに反映するためにバックポートを行います。

 LTSにはセキュリティフィックスも順次取り込まれていきます。CIP SLTSカーネルは、最新のLTSを取り込んでリリースされます。リリース後既に3年が経過したCIP SLTS4.4は月1回、2019年1月にリリースされたCIP SLTS4.19は月2回のペースでマイナーリリースが行われています(図5)。

図5
図5 Linuxカーネルツリー(クリックで拡大) 出典:Open Source Summit Europe 2018での小林良岳氏、Urs Gleim氏講演「Two Years Experience of Industrial-grade Open Source Base Layer Development and its Future」に基づき作成

 現状は、CIP SLTSカーネルがベースとするLTSはまだ存続していますが、これらのサポートが終了した後は、CIPカーネルメンテナーが中心となってサポートを継続していきます。

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