2画面ノートPC「ZenBook Pro Duo」を徹底分解して見えたASUS流の品質設計:隣のメカ設計事情レポート(10)(1/8 ページ)
ASUSのデュアルディスプレイ搭載ノートPC「ZenBook Pro Duo」。今回、ASUSの協力の下、同製品を分解する機会を得た。製品レビューは他媒体にお任せし、本稿では設計上の特徴なポイントを中心にお届けする。
2019年8月20日に国内発表された、ASUSのデュアルディスプレイ搭載ノートPC「ZenBook Pro Duo」をご存じだろうか。今回、ASUSの協力の下、同製品を分解する機会を得たのでその様子をお届けする(※)。
※同製品の発売は2019年8月23日で、販売価格(税別)は46万6500円となる。
一般的にノートPCは稼働部が少なく、どのモデルも機構的な大きな差はあまり見られないが、メインディスプレイに加え、セカンドディスプレイを搭載するZenBook Pro Duoは果たしてどうだろうか。製品そのもののレビューは他媒体にお任せし、本稿では以下のポイントにフォーカスし、設計上の特徴を掘り下げていきたい。
- 全体構成
- デザイン
- 底面カバー
- スピーカー
- 冷却機構
- 基板
- キーボード
- 本体カバー
(1)全体構成
まずは、ZenBook Pro Duoの全体構成について紹介しよう(図1)。
[A]の黒色の部品は絶縁シートで、その下の銀色の部品は輻射対策用のシートだ。全て両面テープを用いた接着式となっている。[B]はメインディスプレイで、裏面はASUSのロゴの入ったアルミダイカスト製の部品である。2箇所のヒンジと併せて一体のサービス部品となっている。[C]が全てのビスとゴム製のブッシュである。[D]がマザーボードで、[E]は小基板。上からセカンドディスプレイとマザーボードをつなぐ中継基板、ストレージ基板、Wi-Fi基板である。[F]は各種ICチップを冷却するシロッコファンと、ヒートパイプとヒートシンクが溶接されたものだ。[G]はキーボードの背面を覆うアルミシールド板で、[H]がタッチパッド兼テンキーパッド(裏面がテンキーとして光る)である。[I]がキーボードで、[J]がバッテリー。そして、[K]がアルミダイカスト製のキーボード面が顔を出す本体カバーであり、セカンドディスプレイが接着されている。[L]はアルミダイカスト製の底面カバー。[M]は上からスピーカー、Wi-Fiアンテナ、LEDイルミネーションとなっている。
ビスの種類は8つあり、少なくまとめている。後述の「(7)キーボード」のビスを除けば、本数も少なくまとめていると思う。製造性を配慮した設計といえる。
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