操作性を改善し、機能を強化した3次元CAD/CAMシステム最新版を提供開始:CADニュース
ゼネテックは、3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の日本語最新版「Mastercam 2020」の提供を開始した。操作性が改善し、新機能や対応工具が追加されており、5軸および複合加工機による高効率な加工をサポートする。
ゼネテックは2019年8月1日、3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の日本語最新版「Mastercam 2020」の提供を開始した。Mastercamは、CNC Softwareが開発した3次元CAD/CAMシステム。最新版では、操作性を改善し、さまざまな機能を向上するなど、Mastercamユーザーの要望を反映したものとなっている。
新機能の1つ、Mill機能(CAM)では、ソリッドモデルから複数のエアーカット領域、外側エッジ、開口部などの要素をワンクリックで自動認識し、ツールパス作成時の図形選択作業を簡略化する。また、シルエット境界も自動認識できるため、複雑な外形を認識可能だ。
対応工具は、バレル形状、レンズ形状に加えて、その複合形状のレンズバレル形状を追加。1本の工具でさまざまな曲面に対して効率的に加工できる。簡単なパラメーター設定によりオーバル形状を追加すれば、多様な仕上げ工具が活用可能になる。
さらに、前バージョンから追加されたサークルセグメントエンドミルの対応工具が拡充され、全てのサークルセグメントツールに対応する。ボールエンドミルでの加工と比較して、切削時間を約30%以上短縮し、面品位も向上するなど、5軸および複合加工機による高効率な加工をサポートする。
旋盤においては、ライブラリ内の工具を識別しやすいよう、3D工具がプレビュー表示される。刃先チップとホルダをライブラリに分割して登録でき、刃先チップのパラメトリックが作成できる。旋盤のプライムターニング機能では、押し加工だけでなく引き加工も可能で、全方向に旋削できるため、退避動作を加工動作に変えることで、加工効率が向上し、工具寿命も延びる。
その他、加工計算時間を最短にするMastercam独自のダイナミックモーションテクノロジーは、高速加工向けの各種新機能と併用できる。加工効率を大幅に向上しつつ、工具の負荷を軽減する。
なお、同製品の保守加入ユーザーには、技術者がユーザーの利用環境に応じたサポートサービスを提供する。
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