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ドコモが語る5G戦略、クルマは「低い周波数帯から」人とくるまのテクノロジー展2019(1/2 ページ)

「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)の主催者企画講演に、NTTドコモ 執行役員 5Gイノベーション推進室長の中村武宏氏が登壇。「NTTドコモの5G/C-V2Xコンセプトと取組」をテーマに戦略を語った。

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NTTドコモの中村武宏氏

 「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)の主催者企画講演に、NTTドコモ 執行役員 5Gイノベーション推進室長の中村武宏氏が登壇。

 「NTTドコモの5G/C-V2Xコンセプトと取組」をテーマに、世界的に注目を集めている5G(第5世代移動通信)と、携帯電話の通信網を使った車車間(V2V)、路車間(V2I)、歩車間(V2P)通信「セルラーV2X(C-V2X)」について、現実的な導入イメージを含むコンセプトと、実証実験の結果や自動車業界のパートナーとの協議の状況などを紹介した。

 NTTドコモは「通信事業者としてコネクティッドカーに非常に着目しており、5Gとの組み合わせによりどんなことができるのか、実証実験を含めてさまざまなことを検討している」(中村氏)という。5Gはデジタルトランスフォーメーションを進める上での柱となる技術の1つであり、(1)高速・大容量(2)低遅延(3)多数端末接続といった3つの特徴がある。

2020年の商用サービスは「高速大容量」を必要とする場所から

 5G導入の意義の1つは、1つ目の特徴である高速・大容量によって、増加するパケット通信に対応できることにある。それだけでなく、5Gの特徴を生かし、さまざまな業界とコラボレーションすることも重視されている。企業や地方自治体などとのコラボレーションにより、産業の最適化や新たな産業の創出、社会的課題の解決、地方創生への貢献につなげることを目指している。

 5G導入に向けたスケジュールでは、3GPP標準に準拠した5G商用サービスを2020年までに導入する計画になっている。その前に、2019年9月に開催されるラグビーワールドカップ2019日本大会でプレサービスを行う予定だ。このプレサービスでは、2017年12月に仕様が完成したNon-Stand Alone方式を採用する。同方式は、LTE通信の既存のインフラを利用しながら5G通信を行う。

 2020年の商用サービスの展開は、高速、大容量化を最も必要とするエリアから進める。特にオリンピック・パラリンピックの施設付近で先行して整備が進むことになりそうだ。一方で地方創生に貢献するため、5Gのサービスエリアは郊外や地方にも拡大する。また、都市部では5Gをさらに拡張した技術「5G+」の導入を計画している。

 サービスは、電波伝搬特性、共用条件などを考慮しつつ、2019年4月に割り当てられた3.7GHzや4.5GHz、28GHzの追加帯域で展開するとしている。「スタジアムなど多くの人が端末を使う場所は、エリア的には限られてくるので28GHzの高い周波数帯を使う」(中村氏)など、多種多様な要求条件に応えて適切な機能と周波数で対応する。また、既存周波数で5G-NR技術を用いて、より広域の地域への5Gのサービスエリアを拡大する方針だ。自動車関係については、まず低い周波数帯でカバーする。将来的に高速性が必要となれば、実際のユースケースを踏まえて、道路沿いを高周波数帯でカバーするという可能性もあるという。

パートナーと利用シーン開拓

 NTTドコモでは、2017年から5Gオープンパートナープログラムを開始し、各業界のパートナー企業と意見交換を行っている。パートナーは交通、サービス、製造、メディア、エンターテインメント、教育、建設、金融など各ジャンルにわたり、その数は2018年4月時点で2600社を超えた。現在、新たな利用シーンの開拓を目指して実証実験を行うなど取り組みを加速させている。

 同プログラムでは情報共用を図るほか、業界の壁を越えることを目的に、コミュニケーションやマッチングを深めている。また、常設の5G技術検証環境を東京、大阪、沖縄に開設した。こうした活動の中から、ソリューション事例も既に150件以上が創出されている。地方創生、医療介護、防犯・防災、労働力不足、一次産業などさまざまな分野にわっており、それぞれトライアルを実施し、ビジネスモデルの確立を目指している。コネクティッドカー関連では、自動車と通信の融合に向けた取り組みがグローバルで加速している中で、国内外の主要団体との活動を積極的に進めている。

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