この記事は、2019年6月7日発行の「FAメルマガ」に掲載されたMONOist/EE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。
「カンコツ」否定の時代だからこそ、「カンコツ」の生かし方を訴えたい
労働人口減少による人手不足や働き方改革などにより、日本で諸悪の根源だと訴えられているのが「カン」や「コツ」などの「属人化」です。
現場力を強みとする日本の製造業では、現場の知見を生かして継続的な改善活動でパフォーマンスを上げ続けることができるため、国際的な競争力を持つことができました。一方で、人を中心としているために、ノウハウの本質的な部分は人が保有してブラックボックス化してしまい、技術承継の負担が大きい他、トレーサビリティーなどの面で保証が難しい課題がありました。
これらを解決するために、システム化や技術活用を進めるというのが今の働き方改革の1つの中核で、この「属人化」された部分をつぶそうというのが大きな動きになっているのです。
では、本当に「属人化」は撲滅しなければならないほど、いけないことなのでしょうか。
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