主要規格と続々連携、ハノーバーメッセを席巻したOPC UAのカギは“間をつなぐ”:ハノーバーメッセ2019(1/2 ページ)
OPC UAなどのOPC規格の普及促進などを進めるOPC Foundationは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、業界独自の通信規格などを展開する主要団体と続々と連携し、産業用IoTなどでカギを握る異種システム間連携の業界標準的地位を確立しつつあることをアピールした。
OPC UAをはじめとするOPC規格の普及促進などを進めるOPC Foundationは、ハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、業界独自の通信規格などを展開する主要団体と続々と連携し、産業用IoTなどでカギを握る異種システム間連携の業界標準的地位を確立しつつあることをアピールした。
インダストリー4.0の推奨規格であるOPC UA
OPC FoundationはOPC規格の仕様開発や維持、市場展開などを進める団体である。そのOPC Foundationが推進する規格の1つが「OPC UA」となる。OPC UAはドイツが推進するモノづくり革新プロジェクト「インダストリー4.0」で推奨規格とされており、さまざまなプロトコルを持つ産業領域のIoT化で大きな役割を果たすとされ、注目を集めている通信規格である。
OPC UAの特徴はプラットフォームへの非依存や拡張性だ。プラットフォーム依存がないため、さまざまな規格の通信情報をシームレスに扱うことができる。マイクロコントローラーからクラウドサービスまで利用可能であり、コントローラー間ネットワークと情報系ネットワークなどを結ぶ通信技術として最適だとされている。
ハノーバーメッセ2019において、OPC Foundationがテーマとして訴えたのが、OPC UAの「Companion Specifications(コンパニオンスペック)」による産業間連携と「Field Level Communications(フィードレベルコミュニケーション、FLC)」である。
「コンパニオンスペック」による産業間連携
OPC UAは、情報モデルによるシンプルな拡張性でさまざまな産業団体が作る通信規格と連携が容易に行えるということが強みだ。データアクセスやアラーム、コンディションなどの基本機能とそれらに基づく情報モデルの仕様で構成されており、この情報モデルにおいて、通信プロトコル間の連携を定義する「コンパニオンスペック」により、異なるプロトコル間でも情報連携を行うことができる。
ハノーバーメッセ2019ではこのコンパニオンスペックでの連携をベースとし、新たに「World Interoperability Conference」を開催。各種団体や企業から350人以上が参加し産業間の相互運用性と情報連携を強く訴えた。
例えば、プロセスオートメーション分野との連携では、Open Process Automation ForumやNAMUR、FieldCommグループとの連携をアピールした。その他、深海施設向けなど専門分野の通信規格との連携を次々に訴えたことが特徴である。
インダストリー4.0の中核団体であるドイツ機械工業連盟(VDMA)では「生産における世界言語を定義していく」としており、「主な産業規格向けのOPC UAのコンパニオンスペックを定義する」方針を示している。
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