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次世代ネットワークMECHATROLINKによる、さらなる展開と現場革新のこれからスマートファクトリー

スマートファクトリー化が加速する中、装置内のモーション制御ネットワークにも高度で柔軟性のある機能が求められるようになってきている。その主要規格であるMECHATROLINKの新技術展開は今後どのようになるのだろうか。MECHATROLINK協会に、2019年度の取り組みについて聞いた。

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 スマートファクトリー化への取り組みが広がる中で、工場内のネットワーク環境にも大きな注目が集まっている。スマートファクトリー化で価値を生むには、機器や装置などからセンシングしてデータを収集し、これらをAI(人工知能)関連技術などで分析して新たな知見を生むサイクルが求められている。これらを実現する基盤になっているのが「つながる」ということだからである。

 特にIoT(モノのインターネット)活用が進むことで重要性が高まっているのが、実際に機械や装置などが稼働するエッジ領域の情報である。この流れで注目を集めているのが日本発のモーション制御ネットワークMECHATROLINK(メカトロリンク)である。このMECHATROLINKの普及、拡大に取り組んでいるのがMECHATROLINK協会だ。MECHATROLINK協会では、これらのスマートファクトリー化の流れに合わせて、新規格である「MECHATROLINK-4」と「Σ-LINK II」を発表。2019年度はこれらの対応製品の市場投入が始まる見込みである。

 一方で、グローバルでの拡大などさまざまな活動を行っている。MECHATROLINK協会 事務局代表である下畑宏伸氏にMECHATROLINK協会の2019年度に向けた取り組みについて聞いた。

新規格「MECHATROLINK-4」普及推進の取り組み

 MECHATROLINK協会の2018年度は、MECHATROLINK公開15周年の節目であったことから、多方面に向けたプロモーション活動を行った。「各種展示会やセミナーなどを通じて、スマートファクトリーの実現に向けた次世代ネットワーク『MECHATROLINK-4』と『Σ-LINK II』を中心に主な特長を紹介してきました。積極的な情報発信を通じて、顧客や協会メンバーとの距離もより近くなり充実した1年にできました」と下畑氏は2018年度の活動を振り返った。

 2019年度の取り組みの柱になるのが、「MECHATROLINK-4」対応製品の登場である。「MECHATROLINK-4」はMECHATROLINKシリーズの新バージョンとなる規格だ。

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MECHATROLINK協会 事務局代表である下畑宏伸氏

 「MECHATROLINK-4」は、「モーションに強いフィールドネットワーク」という立ち位置はそのままに、新たにスマートファクトリー化や製造装置のIoT化などの動きに最適化し、分散制御への対応や柔軟性などを高めた規格となる。

 下畑氏は「2019年度の中で徐々に製品の投入が始まる見込みです。これまで先行的に機能の評価などは受けてきましたが、製品として出てくれば、実際に使った成果などを確かめてもらえるようになります。2019年度は展示会などを通じて、これらの対応製品による実機でのデモンストレーションに積極的に取り組んでいきます」と取り組みについて述べている。

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MECHATROLINK-4は2019年に製品投入が始まる(クリックで拡大)

「Σ-LINK II」は実証を進めて価値を得られる事例づくり

 同様に新たな規格として注目を集めているのが、「Σ-LINK II」である。「Σ-LINK II」は、サーボアンプとサーボモーター間のエンコーダー用通信を発展させ、センサーなどのI/O機器の情報を取得可能としたもの。センサー情報を直接サーボアンプに取り込むことでセンサーデータとモーションデータの一元管理が可能となる。

 下畑氏は「IoTなどの進展に対して、親和性の高い技術であるため、問い合わせなども非常に多くあります。ただ、今までにない技術であるため使い方なども想定して仕様を調整していく必要があります。現状では先行実証を進め、使い方やデータの取得粒度などを検証しているところです」と述べている。今後はこれらの実証を進めて用途開発などを進めていく。

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サーボモーターから直接データを取得できるところがΣ-LINK IIの特長。実証を進めている(クリックで拡大)

ますます進む現場革新、各地域に応じたグローバル展開を強化

 アジア地域を中心にグローバルでの活動を行っているが、2019年度もメンバー企業と共にプロモーションを図る。

 特に重視する地域については「今後、生産拠点として注目されているASEAN地域にも積極的にメンバー開拓を進めていきたいと考えています。2018年度はベトナムでセミナーを開催しましたが、2019年度はインドネシアでのセミナー開催を計画しています」と下畑氏は語る。

 日本ではIIFESや産業オープンネット展への出展を推進。他のアジア地域については自動化を中心とした展示会に出展する予定だ。また、欧州などでも「SPS IPC Drives」への出展など、存在感向上に取り組み、ベンダーやユーザーをさらに増やしていく。「MECHATROLINK-4の対応製品の実機が出てくることは大きいと考えています。開発サポートにも注力し、現場革新に貢献できるような活動展開としてグローバルでも展示会やセミナーを通じて、新たな規格の魅力を実機ベースで訴えていきます」と下畑氏は抱負を述べている。

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提供:MECHATROLINK協会
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2019年3月28日

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