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無人店舗の現実解はどこに、「リテールテックJAPAN 2019」に見る現在地リテールテックJAPAN 2019 レポート(2/3 ページ)

人手不足が大きな問題になる中で注目を集める「無人店舗」。「リテールテックJAPAN 2019」では、近未来の店舗の姿という位置付けで、各社が無人店舗やレジレスをイメージした展示を行った。

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日立の「消費者に寄り添う店舗」は従業員にも寄り添う

 日立製作所は「消費者に寄り添う店舗」と題した、会員制店舗をイメージしたレジレス店舗の展示を行った。

日立の「消費者に寄り添う店舗」
日立の「消費者に寄り添う店舗」(クリックで拡大)

 まず入店は、顔認証と指静脈認証の両方を用いたマルチモーダル認証により行う。ただし、指静脈認証は専用のデバイスを使う必要はなく、顔認証に用いる一般的なカメラで同時に行える。実際の入場ゲートを模した展示には市販のタブレット端末を用いており、そのインカメラと同等クラスのカメラであれば、顔認証だけでなく指静脈認証にも対応できる。

カメラを使ったマルチモーダル認証カメラを使ったマルチモーダル認証 カメラを使ったマルチモーダル認証。顔認証と指静脈認証を同時に行える(クリックで拡大)

 その後の商品棚から出場ゲートまでの間には日立LGデータストレージが開発したTOFセンサーを上方に設置しており、入場ゲートにおける来店客の認証とひも付けた動線分析が可能になっている。TOFセンサーは、来店客による棚からの商品取り出しの認識にも用いている。また、商品取り出しの認識には、商品棚の一部に組み込んだ開発中のレンズレスカメラも用いていた。樹脂やガラスなどのレンズが不要なレンズレスカメラは、カメラモジュールの薄型化や軽量化に貢献できるとしている。

上方に設置されたTOFセンサー動線分析を行えるレンズレスカメラ 上方に設置されたTOFセンサー(左)で動線分析を行える(中央)。レンズレスカメラも用いていた(右)(クリックで拡大)

 出場ゲートでも入場ゲートと同様にマルチモーダル認証を行えば決済が完了となる。「これらの店舗内における情報は『Hitachi Digital Solution for Retail』で一括して管理することができる。来店客のみならず、従業員にとってもうれしい店舗にしていけるだろう」(日立製作所の説明員)という。

「Hitachi Digital Solution for Retail」による一括管理で「消費者にも、従業員にもうれしい店舗」へ

トライアルが導入したカートPOSでウォークスルー決済も

 日本マイクロソフトは、同社のクラウド「Azure」のユーザー事例として、九州を中心に店舗を展開するトライアルが実店舗に導入しているカートPOSを用いたレジレスソリューションを披露した。

日本マイクロソフトのレジレスソリューションの展示
日本マイクロソフトのレジレスソリューションの展示(クリックで拡大)

 このカートPOSは、カートのハンドル部中央にタブレット端末とバーコードリーダーが一体になったデバイスが取り付けられている。システムを開発したのは4U Applicationsだ。来店客は、バーコードリーダーにその店舗で使えるプリペイドカードをスキャンしてから、タブレット端末でPINコードを入力してログインする。その後、購入する商品のバーコードをバーコードリーダーでスキャンしていけばよい。

トライアルが導入しているカートPOSトライアルが導入しているカートPOS トライアルが導入しているカートPOS(左)。タブレット端末の下側にあるバーコードリーダーで商品のバーコードをスキャンしていけばよい(右)(クリックで拡大)

 複数購入による割引も自動で計算し、選んだ商品に合わせて店舗のポイントが増えるクーポンやお薦めの商品などをレコメンドする機能も備えている。

 これだけだと単なるセルフレジ付きのカートにすぎないが、興味深かったのがカートを押して出場ゲートから出るだけで決済が終わるウォークスルーも実現している点だ。仕組みは単純で、カートの下部にバーコードが付いており、出場ゲートでそれを認識するだけ。「これらのシステムのロジックは全てクラウド上で動作しているので、セキュリティ面でも安心してもらえるのではないか」(同展示の説明員)という。

ウォークスルー決済の仕掛けは意外と単純
ウォークスルー決済の仕掛けは意外と単純で、カート下部のバーコードを出場ゲートで認識するだけ(クリックで拡大)

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