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「ANSYS Fluent」を流体力学の旗艦製品として強化、ワークフローとメッシングが大きく改善CAEニュース(1/2 ページ)

MONOist編集部はANSYS グローバル製品事業担当バイスプレジデントであるスワミナサン・スッバイヤー氏に話を聞く機会を得た。スッバイヤー氏は同社のシミュレーションプラットフォーム最新バージョン「ANSYS 19.2」で提供される、流体力学製品「ANSYS Fluent」「ANSYS CFX」で強化されたUIや、大幅に高速化した新しいメッシング技術「Mosaic」について詳細を説明すると共に、今後の開発方針についても話した。

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 MONOist編集部はANSYS グローバル製品事業担当バイスプレジデントであるスワミナサン・スッバイヤー氏に話を聞く機会を得た。スッバイヤー氏は同社のシミュレーションプラットフォーム最新バージョン「ANSYS 19.2」で提供される、流体力学製品「ANSYS Fluent」「ANSYS CFX」で強化されたUIや、大幅に高速化した新しいメッシング技術「Mosaic」について詳細を説明すると共に、今後の開発方針についても話した。


スワミナサン・スッバイヤー(Swaminathan Subbiah)氏は、ANSYSによって2008年に買収されるずっと以前に米Fluentに入社し、それ以来30年近くにわたって一貫して流体力学関連製品の開発に携わってきた。

 ANSYSは2017年1月にアージェイ・ゴパール新CEOが就任。アージェイCEOは、従来は設計のときに使用するシミュレーションツールという色が濃かった同社製品群に新しい側面をもたらそうとし、この2年間にそうした方針に沿って製品開発が進められてきた。例えば「ANSYS Discovery Live」は非常に高速に結果を表示することで、早期のアイデアを設計着手前に確認することを可能にしたツールだ。また「Additive Suite」は、トポロジー最適化機能で生成された、従来の製造方法では製作が困難な形状を3Dプリンティングによって製造するためのツール。さらに、既に提供され動いている製品の、さまざまな条件下における最適な運用判断をサポートする「Twin Builder」などだ。

 スッバイヤー氏は取締役会に、コアビジネスである流体力学製品への研究開発費増強を提言し、研究開発人員を16%増やしている。アージェイCEOからは、流体力学製品の改善および、流体力学製品市場でNo.1になるようにと指示されたという。この指示を受けてスッバイヤー氏は多くの顧客と話をし、従来のANSYSの流体力学製品の問題点3つを洗い出した。

  • 流体力学ツールを使う際のワークフローの使いにくさ
  • メッシングツールの使いにくさ
  • 同社の2大流体力学製品である「ANSYS Fluent」と「ANSYS CFX」が今後どうなっていくかが明確になっていないことによる、顧客の困惑

「ANSYS CFX」は将来的に「ANSYS Fluent」に統合

 このうちANSYS FluentとANSYS CFXについては、ANSYS Fluentを流体解析の旗艦製品にすることを決定し、今後長期的に投資し強化を図る。ANSYS CFXはターボマシナリー分野で非常に強みを持つ製品であるが、こうしたターボマシナリーのモデリング機能を今後数年掛けてFluentに持ち込む方針だ。ANSYS Fluentを強化する一方で、最先端のターボマシナリー解析向けに数年間はANSYS CFXの開発は続け、その後はスローダウンする。ただし、ANSYS CFXを信頼し開発の仕組みに深く組み入れて使っている顧客もいるため、そうした顧客が希望する限りはANSYS CFXを提供し続けるとしている。この決定は、顧客からの「ターボマシナリーならANSYS CFXがいいが、他のことをするならANSYS Fluentが強い。できれば1つの製品でやりたい」という声に応えたものという。


ANSYS Fluentの強化点5つ。1)シングルウィンドウUIによるシンプルで効率的なワークフロー。2)大きく複雑なジオメトリを最小の手間で高速かつ高品質にメッシングする新技術導入。3)過渡現象解析の劇的な高速化。4)ANSSY CFXなどの技術を導入し、ユーザビリティとソルバーの堅牢性を改善。5)新しい物理モデルの開発の継続。

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