豚を健やかに育て、人に働き方を改革させるAIが誕生へ:スマートアグリ(1/2 ページ)
日本ハムとNTTデータなどは2018年12月19日、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を活用した「スマート養豚プロジェクト」を開始すると発表した。スマート養豚プロジェクトでは、従来人の手に依存していた養豚業務の生産性を効率化するとともに、厳しい経営環境に置かれている畜産業の活性化を目指す。
日本ハムとNTTデータなどは2018年12月19日、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を活用した「スマート養豚プロジェクト」を開始すると発表した。スマート養豚プロジェクトでは、従来人の手に依存していた養豚業務の生産性を効率化するとともに、厳しい経営環境に置かれている畜産業の活性化を目指す。
両社は同日に東京都内で記者会見を開催し、スマート養豚プロジェクトの説明を行った。日本ハムで中央研究所 所長を務める村上博氏は、国内畜産業の現状ついて「国内の飼養頭数は若干減少しつつあるが、それ以上のペースで養豚家は大幅に減少している。養豚家1人当たりに管理する頭数が増えており、養豚は家族経営から企業経営に移行している」と語る。
養豚の生産工程は、母豚に仔豚を産んでもらう「繁殖」と仔豚を肉豚へ成長させる「肥育」に大別される。繁殖と肥育は管理すべきポイントが大きく異なるため、「管理者は工程で担当が異なる」(村上氏)とし、さらに養鶏と比較して「養豚は人に依存した飼育が必要なため、マニュアルよりも個人の経験値やノウハウが重要」だとする。
養豚家が抱える課題について、村上氏は「1人当たりの飼養頭数が増える中、人手不足が進んでいる。一方で、働き方改革を推進するためには労務管理の徹底が必須で、じっくりと豚を観察し世話をする時間を削らざるを得ない」こと、そして「属人的な技術の伝承が難しく、また管理者の経験で飼育管理成績に差が生じてしまう」ことを挙げた。
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